訪問日:2021年8月11日

所在地:新潟県岩船郡粟島浦村字八幡山

訪問人数:島民の方1名と私の計2名

 

参考文献:『新潟県中世城館跡等分布調査報告書』、『図説 中世の越後』、『本庄氏と色部氏』

 

粟島の位置、歴史に関しては「越後・内浦城(粟島要害)」にて記述したので本頁では省略します。

 

 

釜谷城の場所

南西部の最先端に位置します。城の西側の浜辺はかつての船着場であったことから、船着場と付近を往来する船を監視するために機能した可能性があります。また、城からは佐渡方面を見渡せるため、色部氏が長尾為景と対立していた時期に物見台としても機能したのではないでしょうか。

 

 

縄張

城山と伝わる場所に段上の郭が築かれています。実際に訪問して感じたのは、後に詳細について後述しますが城域は城山部分だけではなく、城山から西に伸びる八幡鼻(八幡鼻展望台)までだったと思います。八幡鼻が城域でないと佐渡方面への見通しが効かなくなるためです。

出典:『新潟県中世城館跡等分布調査報告書』

 

海岸付近から城跡を望む。奥に見えるのが八幡鼻、その手前にある丘(ちょっと分りづらい)が縄張図に描かれている城山です(城山の奥に見えるこんもりとした山も城跡の可能性があります。今後の調査に期待!)。

 

城跡の手前にある巨大な沢。天然の堀切といっても差し支えのない地形です。

 

釜谷城へ至る道の途中に鳥居がある。ここを真っ直ぐ進むだけで城跡に到着します。

 

城跡に至る道は遊歩道として整備されており登りやすいです。

 

 

遊歩道をしばらく歩くと城山(縄張図に描かれている場所)に到着です。城山に八幡神社がありますが、これは元々は八幡鼻にあったものを新潟地震後に城山に移転したそうです。

 

段上の郭を確認できましたが、八幡神社移転の際に改変され現在の地形になった可能性もあります。

 

段上の郭

 

そして城山から八幡鼻へ向かいます。写真は城山から見た八幡鼻。八幡鼻までを城域と考えないと佐渡方面への見通しが効きません。

 

八幡鼻へ至る道。最近まで草で道が塞がっていたようだが、同行頂いた島民の方が刈ってくれたそうな。感謝。

 

八幡鼻に到着。この下は断崖絶壁。

 

八幡鼻からの眺め。写真だと分りづらいですが佐渡島が薄らと見えました。

 

八幡鼻を見学した後に下山しました。

 

釜谷城では堀切、土塁などの典型的な城郭遺構は見当たりませんでした。しかし実際に見学してみて、それらの防御機能を築く必要がなく、急峻な地形や沢を利用すれば城として充分機能する場所と思いました。

 

釜谷城は城跡ですが、景色が大変素晴らしい場所なので城跡として見学する以外にも景色も堪能していただければと思います。

 

以上、釜谷城でした。

 

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