村上ポンタさんのこと
3年前に亡くなったが、かつて歌を邪魔しないドラマーと言われた村上ポンタ秀一(70)という人がいた。「春一番」、「UFO」、「プレイバックPart2」など、1万4000曲以上の収録に携わり、実にいいドラムを響かせていた。ドラムは曲のベースとなるものなので、ノリノリの気分でドラマーがドラムを叩いてくれれば、楽団全体がノル。逆にドラムが一瞬でも調子を外すと、楽団全体に影響する。彼のドラマーとしての信念は、単にリズムを刻むのではなく、歌詞を読み込み、その歌の世界を理解した上で、叩くことだったそうだ。「赤い鳥」のオーディションで28人中8番目に登場した時は、それまで表情を変えなかったメンバーの目の色が代わり、9番目以降の人は実演もさせてもらえずに帰されたという。
知らない曲を吹くと
最近、私は、知らない曲をオカリナで吹いている。というか、教則本に載っている歌は、大体同じような曲ばかりなので、たまには新しい曲を吹きたいという思いが出てきた。懐メロやフォークなど馴染んだ曲を吹くのも勿論楽しいが、知らない曲に挑戦し、新たな魅力を発見するのもオカリナ趣味のもう一つの楽しみだ。あたかも、昔読んだ本を再読するのと、新刊本を読むことの違いのようなだ。知らない曲は、歌詞を知らないので、楽譜を頼りに譜面通りにメロディを吹こうとする。が、時々フレーズ途中で息継ぎしていることを後で知り、恥ずかしい思いをすることがある。
曲にも文章を読むときのような句読点がある
外国人が日本の歌を歌うと、時々意味不明な歌詞に聞こえるのと同じだ。以前、カラオケで持ち歌が尽きたので、ちょっと小耳に挟んだ曲を歌ったら、おかしいとある人に言われた。ニュアンスが違ったようだ。やはり知らない歌をオカリナで吹く時は、歌詞と曲を作った人の歌に込めた心を理解して、吹かなければ、自己満足は得られても心に届くオカリナ演奏にはならない、ということを肝に銘じようと思う。
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