1人取り残された暗いカラオケルームで、画面がチカチカと自分を照らしていた。
俺は何をやっているんだろうか。
自分の犯した重大な過ちと決して過去には戻れない現状に打ちひしがれていた。
ここでもまた、自分の身勝手な行動によって誰かを傷つけたことを罪深く反省していた。
何をしてきたんだろうか。
こうならないと気づけなかった自分に対し、情けない気持ちと恥ずかしい気持ちと、あらゆる感情が一気に心を揺さぶってきた。
上半身は涙で濡れ、下半身は水で濡れていた。
汚れに汚れた過去は、透明な涙と水でさえ綺麗には戻らないことはわかっていた。
全ての責任は自分にある。
どこでどうおかしくなってしまったのか。
過去の悲しい思い出たちが頭の中を駆け巡ってきた。
なんでこんなことをしてしまったのか。
冷静に考えればわかることを、当日の自分には全くわからなかった。
あらゆる環境の変化やストレスに耐えきれず、それをどこかで穴埋めしたくて、目の前にある誘惑に自ら手を出してしまったのだ。
しばらく無言で床を見つめ続けていた。
雪子は戻って来なかった。深い傷を負わせてしまった。
しかし、これで良かったのだと必死に正しかったのだと自分に言い聞かせる。
部屋の電話が鳴った。
時間が過ぎていた。
電話の音など全く気付かなかった。
怪しまれないように急いで涙と水を吹き、一つ深呼吸をしたら部屋を出た。
どこにも雪子の姿は無かった。
おそらくその勢いで帰ってしまったのだろう。
何事も無かったかのように支払いを済ませ、カラオケを出た。
懺悔に打ちひしがれている時間は無かった。
ひとたび外に出れば、そこはまた黒川と柿子が操っている地獄が待ち受けている。
いつどこに潜んでいるかもしれない奴らの影を感じながら、そそくさと駅へと向かった。
その時、一本のLINEが入った。
心臓がメキっと胸を打つ。
雪子からだった。
「さっきはごめん。どうしていいかわからなくて。でも、ひどいよね。ありがとう」
シンプルな内容だった。
私は謝ることしかできなかった。
ズボンに染みた水が冷たい。
丸めた背中を戻せないまま家路へと着いた。