黒川からの恐怖のメールが届いてから半年は経っただろうか。

 

文字通り地獄の日々を生きながら、なんとか目が見えた状態で今もここにいる。

 

全ては自分の身から出た錆。

 

しかし、ふとした瞬間に自分を褒めてあげたくなる。

 

この恐怖の日々にあって、よく自分を抑えながら耐え続けてきたと。

 

こんな事になるなんて予想もしていなかったが、ここまで生き抜いてこれるとも思っていなかった。
 

弁護士を雇い、警察に相談し、自力で黒川と柿子の情報を入手し、着実に一歩ずつ前に進んでいる。

 

ここ数日、事態が一気に前を向いて歩み始めたことを実感する。

 

悪いことばかりではない。

 

耐えて耐えて耐えていれば、必ず潮目が変わるタイミングがあるのだ。

 

ここまで攻め続けられてきたメンタルは既にボロボロ。

 

しかし、微かなプライドとオフェンシブな心が残っていたから、バックからドライブにギアを入れ替えることができた。

 

さあ、ここからは俺の番だ。

 

いよいよこのふざけたストーリーに終止符を打ってやると意気込んだ。
 

丁度その頃、弁護士から黒川に対して通知を送ったことを知らせる連絡が入った。

 

これから私の弁護人になること、黒川の要求がなにかを確認すること。

 

その二つをメインにした文書だった。

 

これを受けて黒川がどういう反応を示すかはわからない。

 

ヤツのことだから、こんなことではビビらないであろう。

 

どうせまたあの手この手でこちらに揺さぶりを掛けてくるに違いない。

 

弁護士を飛び越して直接またこちらに攻撃を仕掛けてくるとも限らない。

 

引き続き用心が必要だった。
 

それよりも今の私が見ているのは黒川ではない。

 

柿子だ。

 

あいつへの怒りは今もなお日に日に増大している。

 

考えれば考える程に怒りが湧き上がり、体が震えてくる。

 

すべてをぶち壊したのはお前だ。

 

絶対に許さない。

 

そんな感情をまといながら、次のアクションを考えていた。

 

その前にもう一つやることがあった。

 

それは黒川の居場所を突き止めることだった。

 

これこそ簡単なことではなかった。

 

職場はなんとか突き止めたが、個人的な情報は一切ない。

 

柿子の何倍もハードルの高いことだった。

 

そこで私は新たな手を思いついた。