先日の弁護士面談から心は落ち着きを取り戻していた。
1回目の相談時に感じた猛烈な不安を見事に払拭してくれた。
弁護士にも色々なタイプがいることを知り、そして本当に親身になって相談に乗ってくれる人がいることもわかった。
心の中で知人の弁護士に依頼することは決めていたが、後はどのタイミングでお願いをし、どんな内容でいくら払えるのかを検討する必要があった。
さすがにこれだけの金額を払うのであれば、妻にもきちんと説明をする必要があった。
もう少し時間を掛けて検討することにした。
そんな時、ある日の午後にいきなり八代からメールが入った。
八代からメールが入ることはそんなに無い。
しかも、数日後に迫った学会のために既に現場入りをしていた。
そんな多忙の中でメールが来たということは、このメールが例の件であることは容易に想像がついた。
そのメールにはこう書いてあった。
「黒川からのメールです。しつこいので最後通告を送ろうかと思います」
そのメールの下に付いていたのは黒川からのメールだった。
感情が入り混じる文面の中で、最後にこう書かれていた。
「前原に対する会社の処分はどうされるのでしょうか」
実は1週間程前から、再び八代に対してしつこくメールを送ってきていたのだ。
今までの経緯をおさらいしながら、いかに柿子と黒川が苦しんできたか。
その原因の全てが私の言動によるものであること。
そして、私が公に処罰を受けることを強く望んでいることを八代に言い続けていたのだ。
あの電話依頼、私には一切の連絡が無かった。
それもそのはず、ターゲットが私から八代へと移っていたからだ。
私は言葉少なに八代へ返信をした。
「わかりました。よろしくお願いします」
八代からは返事は無かった。
そして、その数分後、再び八代からメールが入った。
そこには、八代から黒川に送った生々しいメールがBCCで私に入ってきたのだ。