せっかく週末だったのに、今日は朝から雨だ。

 

子どもと外で遊ぼうと思っていたけど、今日は部屋の中でおとなしくするしかなかった。

 

おまけに、妻が体調不良になってしまったので、今日は家事をすることにした。

 

昨日まであれだけ天気が良かったのに、今日は珍しく大雨。

 

天気が悪いとこちらの気分も落ち込んでくる。
 

結局、今日は家から一歩も出ずに1日が終わった。

 

子どもも外に出られないから、ストレスが溜まっているのか、ワガママが凄い。

 

妻に甘えたいのもあってワガママを繰り返すもんだから、妻もイライラが募る。

 

天気が悪い日はこういうものか。

 

せっかくの休みが雨のせいで台無しになってしまった。
 

こんな日は早く寝るに限る。

 

子どもを早々にお風呂に入れて、妻の代わりにご飯をつくる。

 

何とかご飯を食べさせて子どもを寝かせたら、既に9時近くになっていた。

 

普段やらない家事を一生懸命やると、時間が経つのは相当早い。

 

慣れないことをやるから、足腰がパンパンになってしまった。

 

子どもが寝たと同時に、寝込んでいた妻が起きてきた。

 

「大丈夫?」と妻に声を掛けた時、突然私の携帯電話が鳴った。
 

誰だこんな時間に。

 

妻も不思議そうに私の携帯を眺める。

 

すると、画面に映し出された番号に私の心臓は止まりかけた。

 

その番号は、黒川の番号だった。

 

この瞬間に、1ヶ月の平穏な日々に終止符が打たれた。

 

私の体は一瞬で硬直し、猛烈なスピードで鼓動が早くなる。

 

指は震えていた。

 

蚊の鳴くような声で「出てくる」と妻に言って、外へと出た。
 

「もしもし・・・」

 

震える声を必死に抑えながら電話に出た。

 

「ツーツー」

 

私が出る寸前に電話が切られた。

 

私は歩きながら近くの公園まで行った。

 

足が震えていた。

 

喉がカサカサになっていた。

 

手汗にまみれた左でもう一度スマホを開き、通話ボタンを押した。

 

3コール、5コール、なかなか出ない。

 

電話を切ろうとした瞬間、声が聞こえた。

 

「もしもし、前原か」