家に帰ってからも、食事と風呂は早々にすぐに布団に入り、ひたすら黒川の会社について調べ続けた。

 

そもそも、最初のヒントとなったのはやはり黒川のフルネームだった。

 

思うような検索結果は出てこなかったが、何ページも何ページもスクロールしていくうちに、おそらくはだいぶ昔の情報だろうページがおもむろに現れた。

 

そこには、黒川の名前と会社名、そして事業内容がポツンと掲載されていた。

 

何のページかわからない。

 

しかし、間違いなく黒川の本名と同じ名前がそこに書かれていた。
 

その会社名を頼りに、それを確信に変えるためにより更なる情報を求めた。

 

すると、これもおそらくは一昔前の情報だろうものが出現した。

 

それは、何かの技術的学会で黒川が発表したプレゼンの資料や概略がまとめられたPDFがあったのだ。

 

ここまで来るとおおよそこの会社で間違いないであろう確信を持てるようになった。

 

私の勝手な想定は、現場の仕事かあるいは不動産業など柄の悪い職業を思い描いていた。

 

しかし、それは全くの見当違いだった。

 

なんと、黒川が働いていたのは誰もが知る大手企業で、しかも技術職だったのだ。


私が描いているあの恐ろしい男の姿は、いかにも真面目で優秀なサラリーマンだったことに衝撃だった。

 

世の中わからないものだ。

 

そんな社会的にまっとうな男が、こんなおぞましい所業を行っていることは誰もが想像できないはずだ。

 

職場の人間は誰もがそんなこととは知らないであろう。

 

私は更に調べ続けた。

 

すると、この会社で働くある人物のSNSに辿り着く。

 

そこから調べていくと、紛れもなく黒川のものであろうアカウントに近づいた。

 

調べても出てこなかったのには理由がある。

 

本名で登録はしておらず、ニックネームで登録されていたのだ。

 

しかし、プロフィール欄に載っていた写真は、間違いなくあの黒川だった。

 

そして、そのプロフィール欄に書いてあったのも、

 

私が確信を得たあの会社名だった。

 

これによって、黒川の会社は100%ここで合っていることがわかった。

 

肩書は営業部長だった。

 

技術営業なのか、それとも営業部隊に転身したのかはわからないが、この情報は最新の情報であることも確認ができた。
 

よし、これで一つ向こうの情報を握った。

 

会社がわかった時は、静かにガッツポーズをした。

 

俺にだってまだプライドが残っている。

 

やられっぱなしの人生なんてクソくらえだ。

 

この発見が一つ大きな自信になった。

 

気づいたらスマホが明るいままに眠りについていた。

 

あまりに毎日が激動過ぎて、相当疲弊していることさえも自分では気づいていなかった。