恐怖の電話から3日経ったある日。

 

黒川からメールが入った。

 

面会する場所の詳細が記載されていた。

 

そこは郊外にある高級ラウンジだった。

 

今はなにもかもが信じられない状態にあるから、この場所は大丈夫なのかと不安になった。

 

黒川が最後に言った言葉が忘れられない。

 

「ちなみに、オレの周りは危ない関係者がいっぱいいるからな。よろしく」

 

最悪、命を取られる危険性だってある。

 

私は仕事の手を止めて、スマホでこの場所を調べた。

 

すると、意外にも綺麗なホームページが出現し、これだけ見る限りでは健全なお店という印象だった。
 

ただ、危険性を感じたからといって店を変える権利はこちらに無い。

 

もう腹を括って命懸けで行くしかないのだ。

 

それくらいの覚悟で会うことを約束したんだろ、と自分に言い聞かす。

 

誠心誠意、謝罪をすれば何とか良い方向に進むことだけを期待していた。
 

黒川と会う日までの3日間。

 

これがどんなにしんどい日々だったかわからない。

 

連日に渡る心身の疲弊が続き、正直頭の中は正常な判断ができない状態まで追い込まれていた。

 

それでも仕事には行かないといけないし、家にも帰らなければならない。

 

文字通り極限状態で毎日を送っていた。
 

そして、いよいよ、黒川と会う約束の日が来た。

 

時間は19:30。

 

ラウンジまで1時間以上かかる。

 

しかも仕事も溜まっているから、どこかで切り上げて急がなければならない。

 

朝からとにかく仕事の仕分けをして、今日やらなくても良いことは全て明日以降に回した。

 

正直、仕事どころではない。

 

ギリギリの状態で仕事をこなしながら、今日の夜起きることに恐怖を感じながら1日を過ごしていく。
 

気づいたら時間は18:00を回っていた。

 

まずい、出なければ。

 

メンバーへの挨拶もそっちのけで、急いで会社を後にした。