★第一話★ Part3
ついでにこのベテラン刑事の方が安本 篤郎。
推定50代前半だろう。
だいぶ前から修をマークしている。
「じゃあ、そのテーブルにあるものは何だ。」
タカバナは疑う。
するとノリが
「刑事さん。俺たちだってやるときゃやるんですよ。ちゃーんと汗水たらして働いた金があるんですよ。」
と、自信満々に言った。
少年たちはニヤニヤ笑った。
安本も諦めたらしく帰ろうとすると奥の方で修が横になり、雑誌を被せて寝ている姿が目に入った。
「今日、出れたんだね。」
聞き覚えのある声に修はピクッと反応して起き上がる。
それを安本は確認すると
「あの事件が解決したとは思えんのだよ。」
こう言いタカバナと二人で出て行った。
それと同時にイガイガしい記憶が蘇った。
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登校日。
登校日と聞くと何を連想するだろう。
親にとっては
うるさいのがいない
と思い喜んでいるに違いない。
しかし、生徒たちはめんどくさそうに家を出て行く。
そのダラダラした空気の中でひとりの少女がベンツから降りて来た。
少女は今時に珍しく指定のソックス、ローファーを着用し薄化粧で素顔に近かった。
「だから送らないで良かったのに!!」
少女は運転手に怒った。
「ですが、旦那様の申しつけでして...昨夜みたいなことになっては...。」
運転手が喋り終わらないうちに車のドアを思いっ切り閉め、校門をくぐった。
先ほどの会話を聞いていると昨夜、修たちが強盗した少女らしい。
「なになに。風ったら朝っぱらからあの立派なベンツで送迎?さすがお嬢様は違うね~!!ねぇ、亜友子。」
「幾実、知らないのー?昨日強盗あったじゃん。その被害者、風だったんだから。」
この幾実と呼ばれた少女はとてもびっくりした様子で「風」の方を見た。
風は
「心配いらないよー。」
と笑ってみせた。
風にはお金よりももっと大事なモノがなくなったことの方がショックだった。
「ねぇ、風。今度募金活動するっしょ?どこらへんでやるの?」
亜友子は興味津々に聞く。
「ん~。今度の日曜日かな?あっ!!亜友子や幾実たちも来る?」
「あっ、ゴメン。その日テニスの大会でさ..また誘って。」
幾実が言う。
すると、スケジュール表を見ていた亜友子が
「アユもだ。その日、カレと約束があるから..ゴメンね。」
二人は風に謝る。
風は
「大丈夫だよ。」
と言い、にっこり笑った。
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