認知症の人が暴言を吐くのは性格が悪いから
 

 

精神科で働く看護師タナトスです。

 

新卒で配属された精神科で今年4年目を迎えました。

 

入職時にいた先輩たちは全員退職し、中途で入ってきたおばさん看護師と後輩たちと力を合わせて、いかれた患者昇天のお世話をする気が狂いそうな毎日です。

 

暴言を吐かれる毎日

 

認知症の人のお世話をしたことがある方は、一度は暴言を言われたことがあるのではないでしょうか。

 

認知症は脳の機能が障害されることで、自分のおかれた状況を理解できず、混乱とストレスから他者に攻撃的な態度を取りやすくなります。

 

それは暴力介護抵抗暴言として介護者に多大な心理的負荷をもたらします。

 

精神科には、多くの認知症患者が入院しています。

 

全員ではありませんが、精神科に入院するほど重度の認知症の患者は、ほとんどが他者への攻撃性を理由に施設や自宅介護が困難となって、入院に至っています。

 

なかでも入浴やオムツ交換を拒否する患者は多いです。

 

やはり他人に体を見られるということは、認知症で時間も場所もわからなくなっていようと誰でも不快に感じることでしょう。

 

施設で半年以上、入浴を拒否し続けたことを理由に精神科に入院になった患者もいました。

 

尿失禁という恥ずかしい経験を過去にした患者は、トイレに執着し数分おきにトイレに行きたがります。

 

自分で全てのトイレ動作が自立している患者なら、数分おきにトイレに行っても大して問題ではありません。

私が精神科で働いていて、本当にうんざりする患者がいます。

オブラートに包まず言うと、嫌いな患者です。

 

↓それは、こんな患者です真顔

 

①自分ではトイレに行けず、介助が必要

 

②一回のトイレに10分以上時間がかかる

 

③5分おきにトイレを要求し、トイレに連れて行くまで悲鳴を上げ続ける

 

④トイレに行ったことは覚えておらず、その日10回目のトイレだったとしても「今日は一度も行ってない。お前は嘘つきだ!」と叫んで怒鳴る

 

⑤トイレが終わってズボンを上げるタイミングで、もう「トイレに連れていけ」と言い始め、ここがトイレだと説明しても納得しない。

 

↑これら全てを網羅している患者は、一人や二人ではありません。

 

 

本当に手が離せないときや、一番忙しい時間に「お前!トイレに連れていけ!」と叫ばれることは大きなストレスです。

 

認知症は脳の機能障害によって、短期記憶が障害され、正常な判断ができなくなり、暴言や暴力行為を引き起こします。

 

看護学生時代、認知症の患者は好きで暴れているわけではなく、病気による脳の障害によって本来の性格とは違う行動をしていると学びました。

 

つまり、患者の暴言や暴力は、全て認知症という病気のせいで、その人の本来の性格ではない。と授業で教えられたわけです。

 

ですが、実際に認知症の患者を多く見てきて、認知症のせいとは言えない、その人のもつ本来の性格に他ならない悪意ある行為と感じることがたくさんあります。

 

例えば、さっきの私が嫌いな患者を例にすると

 

トイレに行ったことを覚えていない

だから、何度もトイレに行きたがる

 

↑これは理解できます。

 

高齢になると膀胱が固くなり、頻尿になりやすいのでトイレに行っても常にすっきりしない不快感があるでしょう。

 

ですが、トイレに連れて行かないことで「お前はクソだ!この嘘つきめ!早くくたばれ!」など暴言を吐くのは、本当に認知症だからでしょうか?

 

仮に認知症のせいだったとして、暴言を吐きながら殴ったり蹴ったり掴みかかってくる患者を、私は「認知症だから仕方ないよねにっこり」と笑って許さないといけないのでしょうか?

どうしてもトイレに連れていけず、患者を待たせてしまうことはあります。

 

でも、ほとんどの認知症の患者は「忙しいのにごめんね」やトイレのあとは「ありがとう」と言ってくれます。

 

言わないにしても、殴ったり蹴ったりはしません。

 

これらの違いは、その患者が持つ人間性に他ならないと思うのです。

 

つまり、暴言を吐く患者の中には、元々の性格が悪い患者が一定数いるということです。

 

私は患者から日々向けられる数々の暴言を、全て「認知症だから」で許容することができません。

 

暴言を吐く患者自身も、慣れない環境や何もわからない不安感などでつらいかもしれません。

 

でも、だからって人を殴るのは違うでしょうムキー

 

そう思ってしまうのです。だからこそ、自宅で認知症の家族を介護している方には頭が上がりません。

 

私は給料をもらって仕事として、認知症患者に接しています。

 

だから、殴られても殴り返さずにいられます。

 

「死ね!」と言われても、「お前が死ね!」と言い返さずにいられます。

 

暴言や暴力行為のある認知症の人の介護は、家族がするべきではないと思っています。

 

お金を払ってでも、病院施設に入れるべきです。

 

家族を殴りたい人はいないし、家族に殴られたい人もいないと思うからです。

 

施設や病院に入れることを「ひどい」と言う人もいますが、私はそうは思いません。

 

ちゃんと書類の手続きをして、専門職である介護士や看護師に家族を任せることは、責任ある行動だと思っています。

 

 

 

今回は、

 

認知症の人の暴言は、認知症が原因のひとつかもしれないけど、本人のもともとの性格もあるよね。お世話する方は心がすり減ってつらいよね。

 

ということを伝えたかったです昇天

 

良ければ他の記事でも精神科病院の苦しい日々を綴っているので、暇つぶしに読んでいただけたら嬉しいですにっこり

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

地獄の精神科看護師タナトス