日本テレビの『NNNドキュメント』を見ていました。
東日本大震災関連の番組は、最近はあまり見ていません。意識的に
避けていると思います。しかし、不意に始まってしまった、津波被害の
映像を、久々に目の当たりにしてしまい……。変な使命感を感じ、
「これは目を背けてはいけないんだ」との意識から、全て見ました。

正直、震災関連で『感動』することは、何か申し訳ない気がしてしまい、
今まではそういう感情は生まれたことはありませんでした。「同情する」
と言う行為は、失礼なような、何か違うような、……なんとも言葉に表現
するのが難しいのですが。が、この番組を見ている間、終止涙が止まり
ませんでした。それは“感動”とは少し違う感情だった気がします。

岩手県釜石市にある旅館『宝来館』の女将・岩崎さんが主人公でした。
その旅館は伝統ある旅館で、地形的にも安全とされ、避難所の指定を
受けていた場所だったのですが、そこですら、今回の震災では、2Fまで
浸水していました。当時裏山へ逃げる女将たちの姿が映されていた
のですが、その映像は、おそらくはゴールデンタイムではおよそ放映
されないような、ショッキングな映像でした。泣き叫ぶ人々に、
「逃げろ!!」と絶叫する人々、迫りくる濁流から、必死に逃げる女将
たち。カメラマンもさすがに動転(というか、救助…も出来ないのだけど、
心情的にただカメラを回すという行為は出来なかったのでしょう)し、
アングルはめちゃくちゃになっていました。女将は数秒の単位で
逃げるのが間に合わず、波に飲まれました。そこで死を覚悟する
反面、ひたすらにもがいて、九死に一生を得ています。女将の後ろに
も数人いましたが、彼らは……。

『宝来館』を頼り、人々が集まってきました。そこで彼女は、自分も
そんな状況に遭っているにも関わらず、避難民を元気付けていた
のです。

「頑張らなくちゃね!」

「元気出して行こうね!」

どうしてこんなことが出来るのでしょうか? 僕にはわかりません。
こんなに凄い人は、この世界にどれだけいるのでしょうか……。
感動? 感動……なんでしょうかね。こういう感情はちょっと表現
出来ないのですが、感動といえば感動なのでしょうか。しかし、
明るく振舞っている彼女もまた、被災者なのです。従業員も数名、
仲の良かった知人も亡くしています。伝統ある旅館も、壊滅状態に
なっています。それなのに……。心の奥を察すると、涙が流れない
方がおかしいでしょう。

訪ねてきた知人と再会した際に、気丈に頑張っていた女将が、
「花を植えて、死んじゃった人を慰めてあげようね」と言い、感情が
初めて溢れだしていました。そして僕は号泣。

そしてまた、“支援者”のために差し入れをする彼女。
差し入れされる立場ですよね? なぜこんなことが出来るんだ……。
凄い。凄いです。尊敬、いや、『尊敬』なんて単語が、果たして相応しい
のかどうか。ラストのカットでは、雪の降りしきる中、廃墟へ向かい
手を合わせ、顔を歪めながら車に戻る女将の姿が。きっと、本当は
常にこの心情なんだと思います。それなのに、それを隠してもなお、
他人のために……。



太陽のような人だと思いました。岩手県釜石市の『宝来館』。
きっと、近いうちに営業再開してくれる気がします。僕もいつに
なるかはわかりませんが、実際行ってみたいと思いました。
世の中、こんな方ばかりだったら、どんなに素晴らしい世界に
なることか!!

きっと、僕のように現実から目を背けようとしている人間は多い
はずです。が、しかし。いつもだとは言いませんが、時に“現実”を
直視する必要もあるとも感じました。そこでまた無力感などもきっと
襲ってくるとは思いますが、……そういうレベルじゃないんですよね、
現地の方々は。そんな次元じゃない。そんなことで「俺も辛い」だなんて、
この人を見てしまうと、二度と言えないですよ。

淡々としていて、ドキュメントの本質を付いている番組でした。
僕の感想がこうなっているだけで、決して“感動”を求めていないのも
良かったです。ちなみに制作はテレビ岩手でした。現地だからこそ、
制作出来た番組な気もします。これが全国ネットなら、こうはいかない
でしょう。きっと余計な要素を盛り込もうとして、なんか違う路線に
なっているはずです。今そういう番組は、NHKかローカル局しか
制作出来ないかも知れませんね。

見れて良かったです。ぜひみなさんも、you tubeあたりで……
いや、載ってないかな。


ていうか、最後のくだりは絶対要らないですよね。なんか、“最後に
オチで締める”というパターンが楽過ぎて、それに頼るだけのクソ
日記になってます。いやーん(←だからそれが要らねえんだよ!)