長期にわかってK-1ヘビー級の日本人の牙城を一人で守ってきた、
”武蔵”選手がとうとう引退。レ=バンナに惜しくも判定負けであった。

彼が出てきたのは、そこれそ”奇跡”だったとは思う。体格が明らかに
違う日本人の彼が、なぜかグランプリ3位。巡り合わせや運もあったと
は思うが、おそらくそこから自分の道を確実に定めたのではないだろう
か。

数年を経て、彼は名実ともに日本のトップ選手へと確実に変貌していた。
外人ファイターにも見劣りしない肉体を作り上げ、さらにパンチやキック
のレベルも外人選手との差がまるでない。”日本人のファイター”でなく、
”ヘヴィ級のファイター”の誕生である。
特に武蔵のローキックは、一時K-1でもトップクラスの破壊力を
持っていたはずだ。




”日本人唯一のヘヴィー級ファイター”は、その特異な存在故か、
自分の意図しないところで、数々のバッシングを受け始めた。
・判定勝利の判定が明らかにおかしい
 (武蔵を勝たせよう、という風潮が蔓延し過ぎている)
・ファイティングスピリットが見られない。
→いわゆる『武蔵流』への批判。ガタイで負ける外国人選手に
 対抗するには、少ないチャンスで確実にヒット数を増やし、
 確実に倒す というスタイル。つまり、KO狙いではないのだ。
 これに対しては批判の声が本当に多かった。しかし。
 直に力の差を感じるが故の、英断だろう。そりゃ、KOで
 勝った方が格好はいい。しかし、プロとは結果が全てで
 ある。負けたら次はない。そういう勝負ごとの世界に身を
 おく以上、武蔵の決断を咎めることは、外部の人間はしては
 いけないだろう。武蔵だって、本当はKOで倒したいはずなん
 だから。

特に不可解なジャッジに関しては、多々問題になった。
谷川さんが言及した程である。しかしそれに対して武蔵に
文句は言えない。公平なジャッジを下せない審判に問題が
あるだろう。


そんなこんなで長きにわかって楽しませてくれた武蔵が、
リングを降ります。ボンヤスキーとの延長戦での攻防は
彼のベストバウトだと思う。お互い、完全にガス欠なのに
根性だけで立って、もう勢いもなくなっているパンチ、
キックの応酬。あれこそが真のファイティングスピリット
でしょう。


ともあれ、


お疲れ様でした。
彼のようにあえてヘヴィー級に挑む武者が出てくる
ことを祈りましょう。