雷対策 | おじさんのブログ

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1998年に米国にアスレチックトレーナーを目指して留学し、2017年に帰国。現在、東京の教育機関でアスレチックトレーナー(ATC)として自分が日本でどこまでできるかを検証するブログです。スポーツの安心安全を、周辺の医療を活かしてスポーツセーフティを目指しています。

前回、熱中症対策のことを書きました。その中でも言いましたが、安全対策はコーチや学校や組織が同じ方向を向いていないと難しいです。これに関しては落雷対策も然り。

 

認知度的に雷に関しては、ひょっとすると熱中症対策よりも難しいかもしれません。自分が米国の高校で働いていた時は、最初の数年は10マイル(16キロ)圏内に雷があると全ての屋外のイベントを中止して屋内に避難し、30分経って何もなければ競技や練習を再開できるという地域の体育協会としてのルールがありました。因みにその30分以内にまた雷が16キロ以内に現れると、そこからまた30分のカウントやり直しです。米国では多くの州がこのガイドラインを適応してたのではないでしょうか。で、その距離はどうすれば分かるか?ですが、それはこれで調べてました。これで一応、距離的なのが出てきます。あと、ウェブサイトにあるレーダーも参考にしていました。

 

これはかなりフラストレーションが溜まるもので、16キロのところに雷が発生しても、現地ではまだまだ大丈夫な雰囲気なんです。これを伝えるたびにコーチ陣からは鼻で笑われながら、嫌味言われながらしょうがなしに動いてもらってました。時には無視された時もあります。ですが、7年目ぐらいから、設定した距離に雷が発生するとフィールド全体にアラームが鳴る高価なシステムを学校が導入してくれたので、それ以降はそのアラームが鳴ったらそれに従うことになりました。コーチがよく「本当にこれは正確なのか?」と言ってきましたが、両手を返して首を傾げて「オー、ノー、ガッコウガキメタコトデース」的なジェスチャーして自分は屋内に避難してました。もちろん、落雷の被害者は0です。

 

日本ではそういうシステムはあるのか分からないですが、あってもこの学校が導入するのはもっと先のことだと思います。今は、古いやり方でやるしかありません。これも熱中症と同様に、アスレチック部の部長(AD)から8月に連絡がきて、日本は落雷のルールとかあるのか?という相談をされたので、調べたところガイドラインっぽいのはあるようでした。でもなんか内容が甘かったので、熱中症と同様にNATAのウェブサイトから資料を転送しました。どうやら以前、落雷の恐れがある時に何かの試合があり、みんな楽観視して試合を続行させたそうです。その時、アメリカ人はそのADだけだったようで、ちょっと困ったようです。とりあえず、インターナショナルスクールは、彼らだけのリーグがあってその中で競技してるのですが、リーグが指示する落雷ルールはないようです。ですので、これは学校として承認して内輪で施行するしかありません。

 

対策としては、携帯のアプリで雷アラートというのがあったので、それを学校のある区を選び、「1時間以内に雷注意」を設定しました。あと、目で見えるレーダーも欲しかったので、これは気象庁の雷ナウキャストてのがあって良さげだったので、これを見ることにしました。ですが、距離がわからないので、雷探知機の雷探くんを購入してもらいました。これの警戒レベルが20キロ以内のようなので、距離に関してはこれを参考にできればと思ってます。

 

実際、先日に雷雨が来たのですが、その時はまだ雷探くんが届いてなく、レーダーとアプリと目視でコーチ陣にお伝えし、もう限界かもってところで笛鳴らして練習を辞めてもらいました。なぜか幸いな事に言い争いはなかったです。笛を鳴らして審判のような素振りをすると、スポーツの現場では効果的なのでしょうか?とにかくは良かった。でも、雷探くんが試せなかったのは残念でした。

 

まとめると、

1. 雷アラート、雷ナウキャスト、雷探くんを使って雷情報を得る。

2. 雷探くんが警戒レベルを示したら、雷ナウキャストで位置をモニターして、やばそうなら一時中止を促す。

3. 避難後、30分、雷探くんが反応もなく、雷ナウキャストも大丈夫な状態なら競技や練習を再開する。雷があればまたそこから30分待機。

 

雷探くんは、その他の電子機器にも反応を示すこともあるようなので、他にも何か良いものがあれば追加してそれも参考にします。天気予報士ではないので、使えるものは使ってければ良いかと思います。取り敢えずこの計画が今後うまく行き、浸透すれば幸いです。