その頃、私はカナダにいて、

一年近く住んだある場所から

別の場所への引越を決めていた。

 

もともと惹かれていた場所。

実際に行ってみたときに「この地に住む。

いずれ住むことになる」と直感した。

息子も気に入ってくれて、彼が通うことに

なる学校も好もしく感じられていた。

 

 

ただ、その地での部屋探しは困難で、

キャンプ場暮らしもありうると

現地の人から聞いていた。

 

 

 

冬の間だけ貸し出されるそのシャレーは

湖近く、緑に囲まれたところにあり

一目惚れ。下見をして即決。

 

冬そこに住みたいがために

夏の間は部屋探しが課題となった。

 

夏は観光客がたくさん訪れる所で

ただでさえ住宅難。後ろ髪ひかれる思いで

住み慣れた土地を離れる人たちもいた。

 

借りるときは当然一年契約など長期の人が

優先されるので、夏の数カ月だけだと

さらに部屋がみつかりにくい。

 

ある年はやむなくAirbnbも利用、

10カ所近く移動を繰り返したこともあり

 

誕生日前夜に翌日からの住まいが

みつかっていないときすらあった。

 

(その時は、下見を申し込んでいた一件から

長期レンタルでないとということで断りの

メールが届き、それでも返信してくださった

ことへの感謝メールを送ったのが誕生日前夜。

 

誕生日当日、奇跡的に「よかったら下見に」と

言っていただけて、日本から連れていった

うさぎも外の芝生でOKとなり、その日

そのまま入居できることになった。)

 

自分ひとりだったらまだしも

息子がいて、さらに家族の一員として

日本から連れていったうさぎもいたから

住まい探しのプレッシャーは相当なものだった。

 (ビザと住まい探しは二大プレッシャーだった)

 

「ぎりぎりでもなんでも、いつも奇跡的に

なんとかなるのがすごい」。だから「今回も

大丈夫」と思ってくれて、心配はしないで

遠くから応援してくれている友人の存在は

ありがたかったし、その信頼が心強かった。

 

 

二人乗りの小さな(そして大好きな)車は

荷物がそれほど積めず、一回の引越しに

十回近くの往復を要することがあった。

 

シャレーの貸主の方がご厚意で大きな車で

何度か引越を手伝ってくださったのは

本当にありがたかった。

 

(さらに引越といえば、カナダを一時期離れた

ときに荷物やうさぎを預かってくれた人たち、

引越を手伝ってくれた人たちへの感謝は

消えることがない。)

 

そして住まい探しがいくら大変でも

冬大好きなシャレーで過ごせたことは

私たちにとって最大の幸運だった。

 

その場にいるだけで至福感が

こみあげてくることがよくあった。

 

だから夏の部屋探しの大変さも

今となってはただただ懐かしい思い出。

 

 

 

オランダに来てからは、最初に見た、

窓から緑が見える (←これは私の部屋探しの

条件のひとつ)部屋が気に入って即決。

 

夏に引越をしなくていい生活は五年ぶり。

そしてその気に入っている部屋に

住み続けて三年以上が経つ。

 

カナダ時代、借りる際に保証人や礼金は不要。

そういう意味では楽だったけれども

 

夏の間は住まい探しのことだけでも

まるで綱渡りのような日々だったから、

 

ベースとなる住まいがある生活を

つくづくありがたく思う。

 

                               ©︎R.S. Photography

 

〜Kyoko🇳🇱オランダ在住HSPヒーラー

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