ベルリン=松井健】ドイツ連邦銀行は19日に公表した8月の月報で、安倍政権経済政策アベノミクス」について、「一時的に成長を押し上げるが、中期的には景気への効果はつかの間のものであることがはっきりする」と指摘した。

アベノミクスのトピックス

 報告は「日本の新しい経済政策のマクロ経済効果について」と題した章で、アベノミクスは2013年には国内総生産の成長率を1・25%押し上げる、と分析した。だが、14年には効果は弱まり、15年には逆にマイナスを見込んだ。

 6月に公表された成長戦略は漠然としたものだとしたうえで、「思い切った改革の予告と、何よりもその迅速な実行が待たれる」と指摘。財政健全化を重視するドイツでは、財政出動による景気刺激には以前から懐疑的な見方が強い。