生きるための表現 難病のチャージ症候群とともにhttps://t.co/hvEGnMWu1I
— 毎日新聞 (@mainichi) 2024年10月6日
「重い難病のために声を出して話すことのできない勘汰さんにとって、絵を描いて表現することは、時に自分の感情を吐き出し、生きるために欠かせない大切な営みになった──」
コラム「24色のペン」今回は銭場裕司記者です
東京・本郷のギャラリーで開かれた初めての個展には、青年を知るたくさんの人が足を運んだ。
晴れ舞台を迎えたのは24歳の伏見勘汰さん=茨城県小美玉市。
重い難病のために声を出して話すことのできない勘汰さんにとって、絵やイラストを描いて表現することは、時に自分の感情を吐き出し、生きるために欠かせない大切な営みになった。
難病のチャージ症候群に
8~9月、東大のそばにあるギャラリーに勘汰さんが子どもの頃から描いてきた作品が飾られた。
以前から勧められていたこともあり、年男でもある24歳を迎えた節目に個展を開催したという。勘汰さんは訪れた人たちにお菓子を配り、特別な機会を楽しんでいた。
重いぜんそくや手術などのために5歳まではほとんどの時間を病院で過ごした勘汰さん。7歳の時にCHARGE(チャージ)症候群と診断された。
遺伝子の変異によって発症する先天性の難病で、勘汰さんは心臓疾患や発達の遅れなど複数の症状がある。
生まれた時は医師から「(生きられるのは)来年までかな」と言われ、中学生の時にも「年を越せないかもしれない」と伝えられた。そうした厳しい時期を何度も乗り越えてきた。
絵でコミュニケーションを
難聴もあり、自分で声を出して話すことが難しい。そんな勘汰さんにとって落書き帳とサインペンは欠かせなかった。
子どもの頃は母親の千夏さん(54)が時計やご飯などのイラストを描いて意思疎通をしたという。
外科手術の際は医師が白い人形を使って説明をした。
術後、勘汰さんは人形の手術を受けた部分を真っ赤にぬり、ハサミでずたずたに切ってつらかった気持ちを表現した。注射器やばんそうこうの絵を描いて苦しさを吐き出したこともあったという。
本当にいろいろな病気がありますね
CHARGEの会
CHARGE(チャージ)症候群患者・家族の会より