本資料は6月25日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。


本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。




July 03, 2024




AskBio社、パーキンソン病を対象とした第Ⅱ相試験の被験者募集を開始



・現在被験者登録中であるREGENERATE-PDでは、中等度パーキンソン病を対象としたアデノ随伴ウイルス2型(AAV2)によるグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)遺伝子治療用製品AB-1005を研究


・2024年1月にAB-1005の第Ib相試験において主要評価項目を達成したことに続き、4月に米国神経学会(AAN)で投与後18か月の結果を発表


・米国で被験者登録を開始し、その後英国と欧州で臨床試験実施施設を開設




米国・ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク、2024年6月25日 


ドイツ・バイエル社の完全子会社で独立経営の遺伝子治療企業であるAsklepios BioPharmaceutical社(本社:米国ノースカロライナ州、以下、AskBio社)は、本日、第Ⅱ相臨床試験REGENERATE-PDにおいて、被験者登録を開始したことを発表しました。


本試験では中等度パーキンソン病に対するアデノ随伴ウイルス2型(AAV2)を用いたグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)遺伝子治療用製品として開発中のAB-1005の有効性と安全性を評価します。




ブリストル医科大学運動障害の Consultant Senior Lecturer であり、英国ノース・ブリストル・トラストの名誉顧問神経内科医 であるアラン・ホーン博士は次のように述べています。


「グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)遺伝子治療は、内因性の成長因子のレベルを高めることで、パーキンソン病で変性する脆弱な脳細胞の生存と機能を促進することを目的としています。AB-1005開発の進展は、パーキンソン病の遺伝子治療開発における重要なマイルストーンであり、有効な治療法を患者さんに一歩近づける可能性を秘めています」



ホーン博士は、REGENERATE-PDが英国で開始されたのちには、欧州の主任研究者(PI)として活動します。

パーキンソン財団によると、世界中で1,000万人以上がパーキンソン病に罹患しているといわれています1。


AskBio社パーキンソン病・多系統萎縮症サイエンティフィックチェアのクリストフ・バンキェヴィッチは、次のように述べています。


「第Ib相試験で良好な結果が得られ、本年4月に開催された米国神経学会(AAN)で投与後18カ月間のデータが発表されたことを受け、AB-1005をより大規模な第Ⅱ相臨床試験へと進めることができることを大変嬉しく思っています。この最新の開発進展は、AB-1005がパーキンソン病患者さんの治療に変革をもたらす可能性があるという私たちの自信を示すものです」




AskBio社は本年1月、AB-1005の第Ib相試験において主要評価項目を達成したことを発表しました。


同試験の主要評価項目は、AB-1005 を両側被殻に1 度だけ直接投与した場合の安全性を評価することでした。


このパーキンソン病を対象とした遺伝子治療用製品の忍容性は良好で、18カ月時点で11人の患者全員においてAB-1005に関連すると考えられる重篤な有害事象は認められませんでした2。




AskBio社は、パーキンソン病以外の疾患に対してもGDNF療法を探索しており、現在、米国で多系統萎縮症のパーキンソニズム型サブタイプ (MSA-P)の患者さんを第1相試験に登録し、急速に進行するこの疾患に対するGDNF療法の安全性、忍容性、有効性を予備的に評価しています

3。


AB-1005は、いずれの規制当局からも承認されていない開発中の遺伝子治療用製品であり、その有効性と安全性は確立されておらず、十分に評価されていません。




パーキンソン病について


パーキンソン病は、脳内の神経細胞の損傷により、ドーパミン分泌量が低下することによって引き起こされる進行性の神経変性疾患です4。診断時点では、患者さんはすでにドーパミン作動性ニューロンの50~80%を失っていると推定されています5。これらのニューロンが失われると徐々に運動機能が低下し、振戦、筋固縮、動作緩慢などの症状が現れます6。


パーキンソン財団によると、世界中で1,000万人以上がパーキンソン病に罹患しており、そのうち約100万人が米国でみられます1。根治療法は存在しておらず、現在行われている治療法は、その効果が時間の経過とともに低下することが多いといわれています7。





REGENERATE-PDについて


REGENERATE-PDは、中等度パーキンソン病の成人(45~75歳)を対象とした、被殻内AAV2-GDNF投与の有効性と安全性に関する第Ⅱ相無作為化二重盲検手術対照試験です。被験者には、画像ガイド下でAAV2-GDNFの両側被殻内単回投与(実薬治療群)または両側の部分的バーホール(burr hole)/ツイストホール(twist hole)形成(対照群) のいずれかを行います。


本試験には、米国、英国、欧州の臨床試験実施施設で推定87 名の被験者が参加する予定です。REGENERATE-PD臨床試験の詳細については、clinicaltrials.gov(NCT06285643)、またはaskbio.comを参照ください。




AB-1005について


AB-1005は、ヒトグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)導入遺伝子を含むアデノ随伴ウイルスベクター2型(AAV2)に基づく開発中の遺伝子治療用製品であり、MRI撮像下で対流強化薬剤送達法によって外科的に脳へ直接注入した後、脳の局所的な領域にGDNFを安定的かつ持続的に発現させることができます8,9。


GDNFは、トランスフォーミング成長因子-βスーパーファミリーの遠縁のメンバーであるホモ二量体です。中脳神経細胞培養において、組み換えヒトGDNFはドーパミン作動性ニューロンの生存と形態学的分化を促進し、その高親和性ドーパミン取り込みを増加させました。


GDNFは、中脳ドーパミン作動性ニューロンの進行性変性を特徴とするパーキンソン病などの疾患の治療用製品の候補として長期間にわたり評価されてきました10。



バイエル 7月3日

https://www.pharma.bayer.jp/ja/press-release/news2024-07-03





Parkinson’s Foundation

(パーキンソン財団)





アメリカでは7月2日、バイデン大統領がパーキンソン病撲滅のための国家計画法に署名し、法律として成立しました

これはパーキンソン病(PD)撲滅を目的とした初の連邦法です


この法案が影響を与える可能性のある主な 5 つの方法


1 連邦政府の研究資金を大幅に増額する
2 より効果的な治療法や治療法を開発する
3 早期診断の改善
4 患者ケアのための新しい改良モデルを生み出す
5 診断、治療、臨床試験への参加における健康格差に対処する


元々アメリカの研究資金は日本とは比べものにならないほどの大きな額です

より増額とは凄いですね



この法案は5月に議会で採決されて、マイケル・J・フォックス財団も称賛していました





日本とは医療に対する国の姿勢が違いますね




それではまた明日☺️

今日もありがとうございます🤗