猫の寿命を30年に! 


腎臓病治療薬完成へAIM医学研究所所長の宮崎徹氏


「27年1月くらいに届けたい」と意欲







猫の死因の上位に上げられる腎不全。


その治療薬開発に取り組んでいるAIM医学研究所所長の宮崎徹氏が、東京ビッグサイトで行われた日本最大級のペット産業見本市「インターペット」で講演し、その研究成果について報告した。


早ければ2025年に臨床試験に入り、「27年1月に完成させたい」と意欲を見せた。



ヒトや動物の体内の細胞はたんぱく質でできていて、その一つ一つが日々生まれ変わっている。その過程で出る老廃物(以下、ゴミ)がうまく排出できず、蓄積されると各臓器を傷め、病気の原因となる。特に腎臓はゴミがたまりやすい臓器だ。



体内にたまったゴミの排出を促すのが、宮崎氏が研究している「AIM」。


AIMは血液中にあるたんぱく質で、IgMと呼ばれるシールの台紙のような抗体に付着し、ゴミが出るとIgMからはがれてゴミに貼り付く。


いわゆる「粗大ごみのシール」のような存在で、その結果、体内の“清掃車”の働きを持つ細胞がAIMを目印にやってきて、ゴミを食べることで体内がきれいになる。



ただネコ科の動物たちは、AIMがIgMに強力に付着しすぎるという先天的な問題がある。


この機能がうまく稼働しないことでゴミが蓄積し、腎臓病を引き起こす原因になっていることを宮崎氏が突き止めた。宮崎氏は、外部から薬を投与することでこの問題が解決できると考え、薬の開発に着手した。




現在、試験的に健康な猫に数回AIMを投与。


投与しなかった猫はほとんどが腎臓病になったが、投与した猫は引き続き健康を維持できるという結果を得た。


また末期で立っているのもやっとだった猫にAIMを投与したところ、1週間後に自力で食事ができるまでに回復したというケースもあった。


宮崎氏は「末期の腎不全にならなくするというのがAIMの効果だ」と力説する。





現在、AIMを強制的にはがす効果のある自然食品も発見され、それを生かし、大手ペットフードメーカーのマルカンやいなばペットフードなどと共同開発した商品が販売されている。


宮崎氏は、フードとして定期的に食べてもらうことで、猫の体内で強制的にAIMがはがれて自分でゴミが掃除できるような効果が期待できると強調。


ゴミがまだ蓄積されていない成猫期にフードなどを使い、ゴミが蓄積して腎臓病が悪化した時にAIMを投与することを勧め、「うまく使い分けることによって、いろいろなステージの腎臓病をコントロールできるんじゃないかと思っている」と話す。





今後は、24年に非臨床試験を始め、翌25年に臨床試験に入るという計画で、「27年1月くらいに皆さんにお届けできるようにしたい」と話す。




認可に向けた動きは順調。


「最大限のスピードで進められている。期待していただいていいんじゃないかなと思います」と手応えを口にする。愛猫家からは、仮に使用できるようになってもコスト面を心配する声があがっているというが、その点について宮崎氏は「なるべく安く。皆さんが簡単に使っていただけるように頑張っている」とアピールする。




目標は「猫が30年元気に生きる世界」。


その実現に向け、引き続き、猫たちの病気を救う活動に尽力することを約束した。




iza 4月12日





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