脳脊髄液減少症 治療促進へ報酬アップ
24年度から1000点、算定方法の変更も



ブラッドパッチ療法のイメージ



脳と脊髄を覆う硬膜から髄液が漏れて頭痛や目まい、倦怠感などを引き起こす脳脊髄液減少症を巡って、2024年度診療報酬改定で厚生労働省は、同症に有効なブラッドパッチ療法の点数を800点から1000点に引き上げる。

医療機関に同療法の実施を促すため、公明党が推進した。6月1日から施行される。


脳脊髄液減少症は、交通事故などによる体への衝撃で硬膜が裂けたり、穴が開いたりして発症するとされる。

ブラッドパッチ療法は、患者自身の血液を注入して穴をふさぐ処置で、公明党の後押しにより16年度から保険適用となっている。その上で、治療の促進に向けて患者や関係者が点数の引き上げを求めていた。



今回の改定を受けて、診療報酬の算定方法も変わる。

国内の約85%の病院では入院患者の診療報酬算定に当たって、入院基本料や薬代などを個別に計算せず、包括的に、在院日数に応じた1日当たりの定額で算出する「DPC」という方式を用いている。

同方式では、患者に施す処置は1000点未満だと包括評価の中に含まれてしまうが、1000点以上になると、この枠組みとは別に出来高評価で算定できる。このため、医療機関にとって処置を行うメリット(利点)がより大きくなる。



一貫した支援、公明党だけ

日本脳脊髄液漏出症学会・中川紀充理事長

DPCを採用している病院にとっては、包括での算定というベースに、プラス1000点を加えられるようになるので、今回、点数が上がったことは本当にありがたい。

公明党は国と地方の議員がそれぞれの立場で支援し、大きな役割を担ってくれた。これまで他党の議員に支援してもらったこともあるが、一貫して寄り添ってくれたのは公明党だけだ。

ブラッドパッチの手技内容を考えると、治療の知見を積み上げていけば、まだ点数が上がる余地はあるといえる。引き続き公明党の協力に期待している。




診療中止の危機遠のき感謝

認定NPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会・中井宏代表理事

これまでの診療報酬では、将来的に病院経営が成り立たず、脳脊髄液減少症の診療を中止する医療機関が増えてしまうという危機感があった。患者にとっては治療が続けられないことが一番の苦しみだ。今回の改定でその危険が遠のき、ひとまず安心している。

公明党は、全国の25道府県議会、少なくとも85以上の市区町議会で、ブラッドパッチ療法の適正な診療評価を求める国への意見書を採択する流れをつくってくれた。これが今回の結果の一助となったことは間違いない。20年以上にわたる支援に感謝している。


公明党



「脳脊髄液減少症」とは、脳脊髄液が漏れ出し減少することによって、起立性頭痛(立位によって増強する頭痛)と全身倦怠感を中心に、頚部痛、悪心、めまい、耳鳴りなどの症状をともなう病気と言われています

交通事故やスポーツ外傷等が原因となる場合もありますが、原因不明なこともあります

平成19年度から国において、診断・治療に関する研究班が設置され、平成23年10月に「脳脊髄液漏出症画像判断基準・画像診断基準」が作成されています

また、平成28年4月から、脳脊髄液漏出症(関連学会の定めた診断基準において確実又は確定とされたもの)に対して、硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ療法)が保険適用となっています




関連

認定NPO法人

脳脊髄液減少症患者・家族支援協会






私が見た記憶では2008年には、、実際にはそれよりも前になるでしょう
指定難病にとの声があるのに、今だに指定難病になりません