厚生労働省の専門部会は29日、手足の先からだんだん筋力が低下していく指定難病「遠位型ミオパチー」の治療薬アセノベルについて、製造販売の承認を了承した。製薬会社ノーベルファーマ(東京)が開発し、世界初の薬となる。

 遠位型ミオパチーの中でも特定の遺伝子変異が原因の「縁取り空胞型」と呼ばれるタイプが対象で、20~30代で発症し、初期ではつまずく、歩くスピードが遅い、歩き方の異常、といった症状が出る。

国内の推計患者数は約300人。10年ぐらいで歩けなくなり、車いす生活となる人が多い。

 飲み薬で、筋力低下の進行を抑制する効果が期待される。



共同通信 2月29日
 





NPO法人PADM -遠位型ミオパチー患者会-
 




アセノベル

アセノベル除放錠500mg(アセノイラミン酸、ノーベルファーマ)

縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

有効成分のアセノイラミン酸はシアル酸の一種。

縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)で足りなくなったシアル酸を補うため経口投与可能な薬剤として開発された。

GNEミオパチーは、多くは10代後半から30代にかけて出現し、体幹から離れた部位から筋肉が萎縮、変性し、次第に体の自由が奪われていく希少疾病。



厚生労働省は昨日の薬食審・医薬品第一部会にて中外製薬の皮下投与の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬・ピアスカイ注(一般名:クロバリマブ(遺伝子組換え))など新薬7製品の承認可否を審議しています

7製品のうち6製品は希少疾病用医薬品に指定されているものです



昨日のアセノベル以外の審議予定品目

(カッコ内は一般名、申請企業名)

▽ピアスカイ注340mg(クロバリマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。


▽レズロック錠200mg(ベルモスジルメシル酸塩、Meiji Seika ファルマ):「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。


▽フィンテプラ内用液2.2mg/mL(フェンフルラミン塩酸塩、ユーシービージャパン):「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox-Gastaut (レノックス・ガストー)症候群患者におけるてんかん発作に対する抗てんかん薬との併用」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。


▽アセノベル除放錠500mg(アセノイラミン酸、ノーベルファーマ):「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。


▽シスタドロップス点眼液0.38%(システアミン塩酸塩、ヴィアトリス製薬):「シスチン症における角膜シスチン結晶の減少」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用薬品。

シスチン症は希少な先天代謝異常症。国内患者数は10数人とされる。


▽アジンマ静注用500(アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、武田薬品):「先天性血栓性血小板減少性紫斑病」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。


▽ウィフガート点滴静注400mg(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)、アルジェニクスジャパン):「慢性特発性血小板減少性紫斑病」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

 

【報告予定品目】

報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

▽バビースモ硝子体内注射液120mg/mL(ファリシマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。