経口以外の投与経路による治療に対する医療ニーズに対応



 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、本日、自社創製の抗てんかん剤「フィコンパ®」(一般名:ペランパネル、海外製品名:「Fycompa®」)について、日本において、一時的に経口投与ができない場合の代替療法としての注射剤の製造販売承認を厚生労働省より取得したことをお知らせします。

 

「フィコンパ」は、当社筑波研究所で創製されたファースト・イン・クラスの抗てんかん剤です。

本剤は、グルタミン酸によるシナプス後膜のAMPA受容体を選択的かつ非競合的に阻害し、神経の過興奮を抑制します。

日本では、本剤の錠剤と細粒剤の2種類の経口製剤が販売されています。

てんかん患者様が手術時など一時的に経口で薬剤を服用できない場合に、投与中断による発作リスクが懸念されるため、経口投与以外の治療を継続することが望ましいとされています。


当社は、本剤が唯一のAMPA受容体拮抗作用に基づく抗てんかん剤であることを踏まえ、経口投与ができない患者様のニーズに応えるために本注射剤を開発し、2022年8月に新投与経路医薬品として追加申請を行い、今回の製造販売承認の取得に至りました。

 

 当社は、てんかんを含む神経領域を重点疾患領域と位置づけており、ヒューマン・ヘルスケア企業として、より多くの患者様に発作フリー(seizure freedom:無発作状態)をお届けする使命を追求し、てんかんの患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

  

以上

  

 <参考資料>

1.   ペランパネル
(日本製品名:「フィコンパ」、英語製品名:「Fycompa」)について


 ペランパネルは、当社が創製したファースト・イン・クラスの抗てんかん剤です。

てんかん発作は、神経伝達物質であるグルタミン酸により誘発されることが報告されており、本剤は、グルタミン酸によるシナプス後膜のAMPA受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する高選択、非競合AMPA受容体拮抗剤です。


 現在、ペランパネルは、12歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法について、日本、欧州、中国、アジアなど75カ国以上で承認を取得しています。

さらに本剤は12歳以上のてんかん患者様の強直間代発作に対する併用療法について、日本、欧州、アジアなど70カ国以上で承認を取得しています。

日本、中国においては、4歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する単剤および併用療法の承認も取得しています。

欧州においては、4歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)および7歳以上のてんかん患者様の強直間代発作に対する併用療法についても承認を取得しています。

日本では、錠剤、細粒剤及び注射剤の承認を取得しています。欧州と中国では、錠剤と経口懸濁液の承認を取得しています。2023年1月、米国における権利をCatalyst Pharmaceuticals, Inc.に譲渡しました。

 

2.  てんかんについて

 てんかんは、発作のタイプによって、てんかん全体の約6割を占める部分発作と、約4割を占める全般発作に大別されます。

部分発作では、脳の電気信号の異常が一部分に限定されています。部分発作の中には、異常が二次的に脳全体に広がり、全般性の発作になるものもあります(二次性全般化発作)。

全般発作では、電気信号の異常が脳全体に起こり、発作直後から意識がなくなったり、全身に症状が現れたりします。


 てんかんの患者様数は、日本で約100万人、欧州で約600万人、中国で約900万人、世界中で約6,000万人などの報告があります。

てんかん患者様の30~40%が既存の抗てんかん剤では発作を十分にコントロールできておらず*、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患です。

てんかんはすべての年代で発病しますが、18歳以前の小児期と高齢期での発病が多いとされています。

小児てんかんの原因や臨床像は一様ではなく、その予後も極めて良い場合や難治が予測される場合もあり、その治療はそれぞれの患者様に特有の配慮が求められます。

 

エーザイ 1月18日
 




ファーストインクラス」は文字通り、従来にない新しい作用機序の最初の薬のことで画期的な製剤です

他にも多少ニュアンスは違いますが「ピカ新」とか「ブロックバスター」などさまざまな呼び名があります

また同クラスの薬剤が複数ある中で、効果や安全性など臨床的な重要性の観点で最も優れる医薬品は、ベスト・イン・クラス(Best In Class)と呼ばれます



フィコンパは海外では2012年から使われています

日本では2016年から錠剤と細粒剤の2種類の経口製剤が販売されています

てんかん患者さんが手術時など一時的に経口で薬剤を服用できない場合に投与中断による発作リスクが懸念されるため、経口投与以外の治療を継続することが望ましいとされています 

そのような医療ニーズに対応するために、経口以外の投与製剤として注射剤は必要でした

申請は2022年8月でした

1年以内で承認は出来ないものなのでしょうか❓