生家 | オリーヴの森の中で ブルース・モーエントレーナー、QHHTプラクティショナーの日常

オリーヴの森の中で ブルース・モーエントレーナー、QHHTプラクティショナーの日常

ブルース・モーエン・トレーナー協会公認トレーナー
QHHTレベル2プラクティショナー

『γνῶθι σεαυτόν』私自身の魂とは何かを知りたい願望が強くて。そして、真理の探究は続いてゆく…

結果から先に言うと、ナチのSSであったガイドを殺したのはアメリカ兵の私。
当然、その時の私は彼が自分のツインだとか、前世で恋人であったとか、そんなことは一切知らない。

それでも、その出来事は私にとっては価値観を揺るがすような大事件であったようだった。

自分が射殺したナチの将校は、私と大して年の変わらない青年だった。

そして、収容所で見たものはアメリカで平和な生活を送ってきた私にとっては悪夢のように恐ろしく、衝撃的なものだった。

何が、自分とそれほど年の変わらないドイツの青年の心をそんなものに追いやったのだろう?
自分はそれを知らなくてはいけないような気持ちに駆られていた。


そして、私は廃墟の町にいた。
場所は…
ベルリン

まだ、アメリカ軍に在籍しているはずなのだが、その時の私は軍務にはなく、休暇のような感じだった。


どうも、私はナチの将校を撃った直後に、彼と会話したらしい…。
即死ではなかったらしい。
何を話したのだろう??
わからない。
その時に、何かを彼から受け取っている。

私は彼から預かったもの?を彼の遺族に渡すことを考えた…
同時に、彼がどうしてあんなふうになってしまったのか、何が人を狂わせたのか、その生まれ育った環境を見て、理由を知りたいと思ったらしい。

彼の生家がベルリンだったらしい。

そして、私はその生家を訪れている。

そこで彼の親にも会った。
けれど、私はその親に幻滅している。

彼の生家は破壊から免れたのか、ベルリンの郊外だったのか。
そこにあった。

きれいな家、きれいな部屋。
すべてが完ぺきな感じの、美しい上品なもので囲まれてるような、上流家庭の家。
でも、何かが足りない、冷たい家の中。
彼の部屋にも入っているが、その部屋の中を見て、私はすごく悲しい気持ちに襲われている。
彼の個室はとても広いが、個性がないような、ものの少ない整然とした部屋。
部屋の中にいるだけで、冷え冷えした感じがする。

私のアメリカの実家はそんなに豊かではなかったが、もっとものにあふれてごちゃごちゃしていた。
家の周囲が自然に囲まれていて、木の香りがいつもしてるような家だった。
私には、うっとうしいくらい家族の愛を感じるような場所だった、と思う。
だから、それと対照的なその部屋に寒々したものを感じたのかもしれない…。

そして、彼の遺品を持って行ったのに、彼の家族は冷たかった。

戦争が終わって、初めてナチスの洗脳が解かれ、自分の息子のしたことを恥だと思っている感じ。
遺品を受け取りもしなかった。