10億円を捨てた男の仕事術
- 松本 大
- 10億円を捨てた男の仕事術
図書館で以前から気になっていたタイトルの本がありました。
それがこの「10億円を捨てた男の仕事術」。
手にとって表紙を見てみると、どこかで見たことのある顔が。
"眞鍋かをりと松本大のいちばんやさしい株のはなし"の表紙に載っていた人だ!と気づき、興味が出てきたので借りて読んでみることにしました。
"10億円を捨てた"というタイトルから、失敗学についてかなにかだと思っていましたが、そうではありませんでした。
では、10億円は何を指しているか。
当時ゴールドマン・サックス証券の共同経営者であった著者の松本さんが得られたであろう、株式上場のプレミアム報酬の額だそうです。
(守秘義務があるために当時噂になった額を述べているだけで、この額が正しいかどうかは明言していませんが。)
松本さんは、株式上場時の十数億の報酬と地位を捨て、あらたなネット証券を立ち上げるという道を選びました。
その決断をしたときに、周りから"正気じゃない"などなど、いろいろと言われたようです。
それもそうでしょう。だまってそのままいれば、大金と安定した地位が得られるのだから。
だけど松本さんは、自分の思いついたビジネスモデルは、今すぐにやらなければ意味がない、上場を待っていたら機を逃してしまうと、それらより自分の思いを実現する方を選択しました。
この本は、松本さんが働いてきた経験を基にした仕事術が書かれています。
仕事術以外にも、ソロモン・ブラザーズやゴールドマン・サックスのときの話が書かれているのですが、それがなかなか面白い。
一番面白かったのは、カジノ潰しの話です。
ソロモン・ブラザーズの新人のとき、そこの社の17人でカジノに行きます。そこで遊ぶのかと思いきや、カジノを潰すための作戦会議が始まります(ここでの"潰す"というのは、カジノが定める支払い上限額を払わせるということ)。
カジノでのゲームのルールを知っているのは17人中たった1人という、なんとも無謀な条件なわけですが、ルールを聞きながら確率の計算をして、どのゲームが一番勝てるかという作戦を立てます。
結局、どのゲームも期待値が1を下回っていることから、何をやっても負けるという結論に至ります。
長期戦は不利、やるならば短期戦で一気に潰すしか勝つ道はない。17人が同じ目にかけるという方法をとることを決断。
後は実際のゲームで、立てた作戦を迷うことなく実行。見事上限の25万ドルを勝ってしまいます。
まるで映画のような話ですが、実際に行われたことのようで、このあたりはわくわくして読むことができました。
仕事術のほうも、たとえ話をうまく交え、わかりやすい文章で書かれており、かなり読みやすいと思います。
アイデアは思いついたその瞬間に意味がある、目的を早めに明らかにする、判断のスピードを上げて時間を作るなど、スピードを重要視しています。
また、あらゆる大量の情報と接する、法則性と例外を掴む、といった情報収集術についても述べています。
このあたりも、ソロモン・ブラザーズ時代の上司の話を交えながら書かれており、興味深く読むことができます。
他にも"信用"は思っている以上に大切にしないといけないこと、実行に移さないと意味がないこと、バリュー・パー・タイムを意識し無駄なことは徹底的にやらないことなど、ためになることが多く書かれています。
この本は基本的なことをはずさず書かれているし、インパクトのある実体験を交えてあるので、非常に面白いし、ためになるものとなっています。
僕は図書館で買って読みましたが、手元に置いておいても損はない本だと思います。
オススメです。