物流コストを半減せよ!
- 湯浅 和夫
- 物流コストを半減せよ!―Mission
★★★★☆
どの雑誌かは覚えていないのですが、物流のコスト削減について書かれた本が取り上げられていたのを見かけたことがあります。
「フィクションでありながら物流のコスト削減に革命的な提案をしている」と書いてあって、
一度読んでみたいと思い続けていたわけですが、本屋でついに見かけたので買ってみました。
(僕の記憶の中の表紙と若干違っていて、間違っている可能性が大ですが)
物流のカリスマコンサルタントの"大先生"が、歯にもの着せぬ言い回しで、クライアントを教育していきます。
"大先生"の叱咤、鋭いツッコミにクライアントは最初の内はびくついているだけだったのが、
徐々に物流のコストにいかに無駄が多いか気づかされ、問題意識を持ちはじめるようになります。
そして最後には、自分たちで根本の問題を発見し改善していくことができるようになることで
"大先生"の教育は終わり、信奉者が増えるわけです。
この本はフィクションで、物語り調に書かれているため、それほど苦がなく読めました。
物流コスト削減について、"大先生"が終始一貫して言っていることは、「在庫を持たない」ということです。
必要なときに必要な分だけ、工場から直接出荷するようにすれば、在庫管理にかかる費用など
一切要らないという論理です。
しかし、現実はそれではやっていけないという反論もあるでしょうが、そこを目指して既成の枠組みを
壊していかなければ根本の問題解決は図れないとも述べてあります。また物流コストを切迫しているのは、往々にしてそれは在庫や物流そのものに問題があるのではなく、
別の要因が関係しており、個別の管理部門だけでなく全社的にコスト削減を図っていくべきだとも書かれています。
この本の中で、僕は特に以下の話に興味を持ちました。
「あるメーカーの話ですが、ある物流センターで欠品が出たときほかのセンターから在庫を回してもらうのに、いちいち電話でどこにあるか探し回るのはたいへんだというので、その検索のためのシステムを作った会社があるんですよ。担当者は探すのが楽になったって喜んでましたが、このシステムをどう評価しますか」
特に疑問も持つことができなかった僕はまだまだです。
"大先生"はこう言います。
(中略)
「まあ、それはいいとして、さっきの話ですが、いま課長がおっしゃったように、どこかのセンターには必ず余分な在庫があるということを前提にしたシステムを作ったのです。いかにも無駄なシステムでしょ。工場以外どこにもないんだという状態にしてしまえば、そんなシステムを作る必要はありません」
まさしくそのとおり。
下の言葉のとおり、僕も常々本質を捉える目を持ちたいと思っているのですが、まだまだ修行が足りません。
「本当の問題を見ないで、それが原因で表面化した二次的な問題をなんとかしようという発想です。これでは問題の屋上屋を重ねるだけです。さっきのシステムはそのうち、あって当たり前というシステムになってしまいます。本来、不要なものがずっと残されます。ここで浪費されるコストはいかにも無駄ですよね」
これ以外にも、"厳しい言い方だけどまったくそのとおりだ"と思えることが多くあり、物流のことは全然わかりませんが、その問題解決方法は僕にとって目からうろこでした。
僕はビジネスや自己啓発的な本を読むのが好きなのですが、あまり役立てていないような気がします。
それを見透かしてか、文中にある"大先生"のありがたい言葉が染み付いてきました。
「知識はあるんだけど、それが実際には生かされていないんだなぁ。一つの話としてとらえていて、その発想を学んでいないと言うか、身についてないと言うか・・・」
これから知識だけにとどまらせず、どんどんアウトプットして生かすようにしていこうと思います。