徐々に再開の機運が高まっているブロードウェイですが、ちょっと暗い問題が出ております。Scott Rudinという映画と演劇の双方の業界で働いていたプロデューサーによる、度重なるハラスメント問題が浮上したのです。このハラスメントは、主に身体的な暴力を従業員に対して行う、というものだそうです。

 

Scott Rudinが関わってきた作品のなかで、私がよく知ってる作品を簡単に列挙しますと、、、

 

映画:

「天使にラブソングを」

「めぐりあう時間たち」

「ファンタスティック Mr.フォックス」

「犬ヶ島」

 

演劇:

「パッション」(1994トニー賞受賞)

「ブック・オブ・モルモン」(2011トニー賞受賞)

「ハロー・ドーリー!」(ベット・ミドラー主演の再演版)

「橋からの眺め」(2016トニー賞受賞)

 

と、かなり錚々たる作品が並びます。

 

 

とは言え、元々、いろいろな問題を起こすことで有名なプロデューサーだったようで、例えば、、、、

 

2012:「Clybourne Park」BW開幕直前に、脚本家と対立し、プロデューサーを降板。

 

2013:自分がプロデューサーを務め、興行的に失敗した作品に関する記事を書いた記者を、名指しで批判する広告を出す。

 

2016:「Groundhog Day」BW版準備中に、創作の方向性の違いからクリエイティブチームと対立、プロデューサーを降板。

 

2016:「The Front Page」で、批評家たちに初日前に観劇することを禁止し、The Hollywood Reporterの記者と対立。

 

2018:「To Kill A Mockingbird」で、原作からあまりにかけ離れすぎていると、原作者の権利団体から告訴される。

 

と、なかなかのことをやってきています。実際に業界では、かなり難しい人間として有名だったようで、誰もが「あいつには気をつけろ」と言っていたようです。それが今回、職場における暴力を従業員たちが暴露するという形で、問題が明確化したという流れなのですが、それに対して業界がどのようなことを行なったか。。。というのはまた次回にお話しすることにしましょう。

 

ちなみに、Scott Rudinってこんな人です。