第十話 噂
「ねぇ さつきちゃん ものすごい話聴いちゃった」
休み時間 正子がニコニコしながら 話しかけてきた
「なんかね 私のお兄ちゃんの同級生
妖怪に襲われたんだって さつきちゃん
そんな話 大好きでしょ?」
「えっ妖怪? うん 本当にいたら楽しいわよね💦」
「ケンカに負けた言い訳しては面白いわよね なんかね
聞いた話だと 女の子のスカートの中から 黒い帯が飛び出してきて
巻きつけられて 三メートルぐらい遠くに投げられちゃったんだって 笑」
「すっすごいわね 💦一反木綿かしら 鹿児島に伝わる妖怪なんだって」
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(どうしよう もう噂が広がっちゃってるわよ)
「心配ないよ 僕はいつでも君の中に隠れられるし 見つかっても
誰も信じないさ 僕等が見えるサツキとメイは
本当に信じてるから見えるし 話も出来るけど
信じてない連中から見たら ただの超常現象さ
世の中 目に見えるものしか 信じられない連中ばかりだからな
なぁ サツキ これ なんだかわかるか?」
「見たこともない機械ね 一体どんな事ができるのかしら」
「これは スマートフォン 略してスマホだ iPhoneって言って まぁ
平たく言えば 電話だな」
「えええええっっ これが電話? こんなに小さくて 線も繋がってないのに
どうやって お話するの?」
「今から 80年後 世界中の人がこれを持ち歩いて 画面通じて話したり
音楽聴いたり 外国人と顔見ながら話せるようになる」
「すごい!! なんだか妖術みたい でもなんであなたがそれを持ってるの?」
「君の妹 メイが名付けた トトロ トトロは時間制約のない世界からきた
生き物だからね 君の妹の孫からちょっと借りてきたのさ」
「じゃあ あなた達は これから先 未来がどうなるか知ってるの?」
「知ってるに決まってるだろ だから君らを助けにきたんだから まぁ
でも 君らはまだ 色んな事を知りすぎるのは早いから 今日はこれぐらい
それと きみのお父さんの件だけど」
まっくろくろすけは スカートから 飛び出ると 「えいっ」って
掛け声で二つに分離した
「君の親父さんには もう一人の僕が 親父さんの髪の毛と同化して
ついていくから なぁに 心配するな 死なせやしないから 爆弾だろうが
鉄砲だろうが 僕から見たらおもちゃみたいなもんさ
いい歳した大人がカッコつけておもちゃで遊んでるようなもんさ」
