ツイッターの#安全保障学に武内教授がハンチントンの「文明の衝突」について述べている

東アジアと「文明の衝突」の関係はどうであろうか

「文明の衝突」に挙げられた、中国文明、イスラム文明、日本文明、ロシア文明、インド文明等が東アジアに関連する

中国文明は朝鮮、台湾、ベトナムを含むと定義されている

日本文明は日本のみで孤立的傾向があるとされる

東アジアは文明の衝突が進んでいるか?

中国文明の拡張傾向は顕著である

日本は抑止を戦略の中心に据えている

ASEAN諸国のイスラム国が文明の衝突を起こしている訳ではない

インド文明も拡張的傾向がある訳ではない

ロシアは東アジアにおいてではないが、クリミヤやウクライナで、文明の衝突のような動きが見られる

東アジアに限れば、中国以外、文明の衝突が前提とするような拡張傾向はない

むしろ、中国の周辺では、台湾のひまわり運動や香港の雨傘革命等、民主主義発展の動きが見られる

また、ASEAN諸国の民主主義も総じて進展している

東アジアの国際情勢の趨勢は、域内における民主主義の進展と、中国の文明の拡張傾向と位置付けられる

ハンチントンが予言したように中国文明の拡張傾向がある一方、域内の民主主義の進展も着実に進みイスラム文明やインド文明、日本文明が対立的な傾向を増している訳ではない

しかし、武内教授が指摘しているように、文化的共通性を軸にした外交が進められていることも事実であり、中国による歴史戦が、それに当たる

韓国は正に、中国の歴史戦に呼応している面があり、文明の衝突に巻き込まれている感もある

朝鮮が中国文明圏という、ハンチントンの指摘はなかなか正確と言わざるを得ない

しかし、韓国が民主主義国であることも事実であり、日米は韓国が民主主義の価値を再確認することを促し続ける必要がある

このように見ると、ハンチントンの言うような文明の衝突と、民主主義の進展とは、対立するものではないかと思われる

民主主義国、所謂、西側諸国は抑止を戦略の基本としており、拡張的傾向にはない

一方、中国文明が拡張的傾向にあり、また、ロシア文明もそうである

イスラム文明に関しては、ISの動静等不透明な点もあり判断しがたい

文明の衝突というよりは、民主主義でないか民主主義が成熟していない文明と、民主主義文明との対立ではないか

日本文明もインド文明も西欧文明も、民主主義文明である

我が国の戦略は、民主主義と抑止を基本とするものである

日米同盟が基本である

また、EUとの協力も重要である

韓国とは、民主主義を共通価値として、その関係を実質的な同盟関係に高める必要がある

台湾の民主主義を維持することも重要である

ASEANの民主主義を更に発展させる必要がある

また、ロシアについては、民主主義の成熟化に協力しロシアを民主的で拡張的でない文明に誘導することが適切である

中国についても民主化を促し健全な民主主義を根付かせる為の支援が必要である

ハンチントンの文明の衝突を防ぎ得るのは民主主義なのである

東アジアでは民主主義が着実に根付きつつある

これをより確固たるものとする努力が文明の衝突を防ぐ戦略である

我が国は、米を中心とした、東アジアにおける民主主義を基本理念とした地域機構の設立を進めることが重要である

このような努力が、東アジアにおける、文明の衝突を防ぎ、抑止を基調とした、安定的な安全保障環境の維持に貢献する