覚書



『 担う 』


それにしても

泥臭い人間しかいない

そちら側にどっぷり行きたいけれど

ひともまた自然の一部

そういう視点で

観察しながら

体を張りながら

詩人を担っている



『 断念 』


自転車仲間に

坂の話はするもんじゃない

傾斜が、と言ったら

あの川を越えるには

そこが一番緩やかな傾斜なんだと


よろけてしまって

雨の日さえ断念するのに

日傘の

傘差し運転?


恐れ入りました


そもそも電動の私に

自転車云々など

語れやしなかったのだ



『 無知 』


無知っていいよな

異国の朝の市場で

泥棒に間違えられたけど

言葉がわからなかったから

痛くも痒くもなかったっけ



『メルカリ』


評価されちゃった



『 あながち 』


間違っていない


そうか

これも日記なんだな



『 仕訳 』


仕訳られたし

仕分けられたな




『 べーな 』


バレてんだろな

ユルかったんだろな



『 強者 』


目を覚ませ

世の中 何が強いのか


PASMOやクレカ

PayPayの客のあとに

現金で、と言ってやれ


何がなんでも 現ナマだ



『 逃げれば また 』


そうか

また師は 前田と言うのか

逃げられないんだな

逃げれば又 類似の壁が出現するさ


そういうもんなんだ



『 カチューシャの女 』


或る日気づいたのは


いつも紺色だったカチューシャが

給料日ごとに

水色や黄緑に変わっていたこと


それに色香さえ感じはじめたのだ


それから

次から次へと湧いてくる

彼女への興味


興味とは

興味からはじまるものといえば


今日は

おはようと言ってみる