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ライチを食べ過ぎると熱が出る。
私が暮らすレジデンス近くのブォイ市場では、六月~七月頃、たった一、二ヶ月ほどの旬ではあるが、生ライチが出始める。
枝付きのまま束ねられた赤っぽい実は、1㎏4万ドン(約二百円)ほど。
日本ではこうはいかない。
マンゴーであれパッションフルーツであれ、高価な南国フルーツがたらふく食べられることは、駐在生活の特権であると言えよう。
発展途上国での駐妻生活は、私にある勘違いを起こさせた。
自分があたかも〝セレブ〟であるかのような気分になってきたのだ。
13階にあるリビングからは、日本ではちょっとした成功者しか拝めないであろう絶景が広がっていた。
レイクビューだ。
湖と、その向こう岸に見えるビルや赤い屋根の街並みは、日によっては昼間はバイクの排気でガスっているが、夜の夜景は、本当に、息をのむほど綺麗だった。
週に3回ハウスキーパーさんが入り、洗濯までしてくれ、更には、週に2回クッカーさんが夕食を作りに来てくれる。
出掛けるにしても、夫の会社専属のドライバーさんがメールひとつですぐ来てくれ、それ以外でも、常にタクシー移動。
友達関係も日本とは一味(ひとあじ)違った。
霞が関(かすみがせき)的な旦那さんを持つ子や、
イタリア人と国際結婚している子、
子供に幼くしてバイオリンやチェロ、フルートといった情操教育を与えている音楽一家のママ。
はじめはなんだか気が引けるようでお誘いを断ったりもしていたが、みんな気さくで、それでいて優しかった。
まさに、良妻賢母(りょうさいけんぼ)の集まり、というか。
〝人として完璧〟な彼女達が、出不精(でぶしょう)の私をめげずに誘い続けてくれたお陰で、ジェルネイルやまつエクにマッサージ、ハイティーにアフタヌーンティー、挙句の果てに私は、ピラティスまで習い始めてしまっていた。
(ウチの夫も一応、大手の銀行マンなわけだから、いいよね…こんな贅沢も。
お付き合いと、人生経験って事で。)
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回転式本棚は、省スペース📕
組み立ての難易度は中の上でしたが、
しっかりした造りで、安定のクルクル