ポエム 736 | ふき日記
『 嘔吐 』
けだしその反応は正解である
禁欲的な中に淫らな眼球を埋没させ
潮の満ち引きのように
水平線ギリギリの私のまだ
滑らかなほうの内側で
浮遊させてくるには まだ若く
航海の途中で顰(しか)める様に
眼を瞑るきみは 遠く遠く罪深く
夕陽を目指すには大いに風が足りず
靡(なび)かないきみのワイシャツの白い旗
共にと誘うつもりはなかったが
しがみついてしまった
出港の随分と前から船酔いしていたのだ
きみに きみの陸の様な沼に
甲板の先端で両手を広げたあとを思うと
嘔吐を繰り返すような不思議な色の
深海魚の食卓
それを囲む想い 囲い込む想い
月日を稼ぐには嵐を避けられず
辿り着く港の光は幻である
転覆の結末を祈る
このまま