皆さん、ごきげんよう。
私が平成学芸会会長です。
今般の台風19号により被災された地域と皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
この台風19号による被害の全容が未だに明らかとなっておりません。
政府・自治体の迅速的かつ戦略的な復旧・救済が滞りなく進むことを願うばかりです。
またボランティアの皆さまのご尽力を含め、私たちが今できることにも思いを深めていくばかりです。
私たち平成学芸会は「半径500mの日常をエンターテインメントに」をコンセプトにしております。
このコンセプトが命を持つ所以こそは「半径500mの日常が、ありふれた、他愛もない、ただただ普通の時と生活」に尽きます。
私の企画である「民話の現場」も、民話の舞台となった場所が現存してこそ初めて成立します。
そこは本当にのどかで、何の変哲もない、ただただありふれた、静かな一角が「民話の現場」として存在しているのです。
しかし、向かった現場で胸を痛めたことがあります。
それはまさに令和元年の一連の台風に被災した神社や祠などの痛々しい姿でした。
ささやかな手作りの村祭りが中止となっていることもあります。
災害によって失われるものは多々ありますが、こうした「かけがえのない祖先の記憶」である民話の現場も失われてしまうかもしれないのです。
また報道にもありますように、激甚災害により崩壊寸前となった地域や地区もあり、そこで被災された方々の悲しみや苦しみが過酷な現実となっている「現場」もあります。
平成学芸会は、半径500mの日常が、何のことはない、ただただいつも通りの、普段通りの平穏無事の身の回りがあってこその活動を行ってきました。
しかし、私は「半径500mの日常をエンターテインメントに」というこのコンセプトが、例えばこうした非常時に、どのように世のため、人のためになれるだろうかと思うことがありました。
どうもこの台風19号は、こうしたふとした感慨に大きなテーマを課したかのようにも思えます。
「半径500mの日常をエンターテインメントに」
私は想います。
想い続けます。
そして、考えます。
考え続けたいと思います。
譬え微力たりといえども決して無力ではないということを肝に銘じながら、想い続け、考え続け、そして動きます。
今日は神嘗祭。
日本の大祭日です。
今宵は様々な想いと祈りを込めたいと思います。
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