数年が経った冬、彼から久しぶりに手紙が届きました。

引き受けてくれる更生保護施設が見つかったこと、あと1~2ヶ月のうちに仮釈放される見込みであることが書かれていました。

それはとても遠いところにある施設でした。

例えて言えば、東北から九州くらいまで離れた県でした。

何件の保護施設にあたってみたのかはわかりませんが、ようやく見つかったようです。

 

そして、仮釈放されても刑期満了日まではその施設にいなければならないけど、その後はやはり私のところに帰りたい、一緒に暮らしてもらえないかと続いていました。

 

長かった彼の刑期もとうとう終わります。

もう吹っ切ったつもりではいても、私の心にはずっと彼の存在はあったのに手紙を書くことすらしてこなかった数年間。

この空白の数年を私たちは埋められるのだろうか。

引受人をやめた私を、彼は本当は恨んでいるのではないか。

何より彼の中で、あの出来事や私が何故あそこまで怒ったのか理解し消化しきれているのだろうか。

 

もともとその数か月後に満期を控えていたのでそろそろだという気持ちはあったのですが、何年も連絡を取っていなかったので中での彼の動きもわからず、保護施設がみつかっているとも思っておらず、満期確定だろうと思っていたのです。

私にとっては思いもよらない仮釈でした。

 

たくさんのことに思いをめぐらせ、また返事を書けないまま数ヶ月が経ち、彼の手紙が本当ならもう外に出てきているだろうという時期まで来てしまいました。