プロット Massacre of A
数学者アルキメデスが、ヘロン王の依頼で王冠が本物の金であるかどうかを依頼されたのは、紀元前もの昔のことである。
質量と体積がわかれば、密度がわかるのであるから、真偽のほどを確かめるのは難しくはない。
ただ、ここにおいては、それは王冠だった。
ただの立方体でも、円柱でもない。
まさか、粉々に砕いて、体積を調べるわけにもいかない。
彼は、そんなことを考えながら風呂に入った。
入ると、自分の体積分だけ、風呂の水は外に漏れ出た。
それをみて彼は「ヘウレーカ!(わかったぞ!)」と
叫び
裸で走り回ったという。
彼は後日、同じ重量の金を水槽に入れてどれだけの水が漏れるかを図った。
結果、王冠の金の純度は違っていた。
これにより、王冠の職人は王をたばかったとして死罪。
アルキメデスは、その名声を得た。
この時、王冠の職人とアルキメデスの運命を違えた最大の理由は、何か?
王冠の職人がうそをつき、アルキメデスが真実を見破ったからか?
果たしてそうだろうか?
本当にそうだろうか?
では聞こう。
何故、王冠の職人が嘘つきで、アルキメデスが真実の語り部だと思ったのか?
言っている意味がわからない?
なら問いかけ方を変えよう。
アルキメデスが王冠と比較した金・・・・・それが純金だったという証拠はどこにある?
王冠のほうが本物で
用意した同じ重量のほうの金塊が偽物だったら?
そう、
当時の王冠職人にとって
自らがうそをついたのならば命がないのは常識的だ。
それだけ、人の命が軽かったし
嘘をつくには命がけだった。
今となっては解らないが
二人の命運を変えたのはただ立場の上だけだ。
疑いをかけられているものと
真実を証明しようとするもの
役割上の悪
役割上の正義
この二つでは疑いようがない。
ただ、先ほどの問いかけがまるで的外れでなく
真実であったとするのなら
これは計画的な殺人事件である。
完全犯罪と言っていい。
そう、完全犯罪を起こすのに
無駄なトリックやアリバイは要らない
正義の味方でさえ・・・・・あればいい。
そんな正義の味方が起こす
大虐殺のシナリオがあるとすれば
それを止めることができるのは
悪役であろうか?
それとも、さらなる正義の味方か?
アルキメデスの大虐殺を、止める方法はあるのだろうか?