小説 愛食家な彼女 4
食う・・・『喰う』だって・・・・?
なんだよ、それ。『羊たちの沈黙』?レクター博士かよ。
人を喰う人・・・・カニバリストという人種。
あるいは特殊な宗教内では、人の死肉を喰うと言うものがあった。
あるいは太古の風習の中・・・けど、そんなものはどれもこれも小説や映画の域を出ない、ぶっちゃけ、現実には起こり得ない話だろ。
せいぜい、戦争中、遭難し、激烈な環境下での、食糧不足の時に起こると言うのをよく聞く。
決まって言うのは、人間の肉は筋張ったい、まずい、くさい、かたい。
つまり、おいしくない。
どうしようもなく美味しくないと言うこと。
前述していた、羊たちの沈黙のレクター博士は、丹念に調理し、研究に研究を重ねた結果、招待客においしく食べさせていたが・・・・だから、それは小説の話だっつーの。
平然とそんなウソをつくなよ。
人一人殺されてるって言うのに、『不適切』なんだよお前。
でも・・・・・。
食べられる食べられないの話はとにかく
―分解目的以外の死体の損壊行動
そことだけは・・・辻褄が合う。
ああ、クソ。常識で考えろ。
ありえるかっての。眠れなくなるじゃないか・・・いい加減にしてくれ。
俺は『正常』なんだよ。お前みたいな『異常』じゃない。
じゃない・・・けど、ないけどさ
ああくそ、なんなんだよ!こいつ!
こいつの言ってること『嘘じゃないジャン』!
匂う、臭う、芳香う
ああ、最悪、嘘つきの匂いがしない。
虚言の匂いがしない。
そういう空気じゃない。
いいよ。
そんな、異常者みたいなやつが本当にいたとして、俺は金輪際そんなのとは関わりたくないと、あいつの時に思っただろうに。
このまま、こいつ犯人でいいよ。
犯人じゃなくても、こいつの気軽な態度は腹が立つし・・・。
なんだよ、さっきから自分のことばっかり。
やめようや、いいかげんにしろや、そろそろ黙らせとけ
「なぁ・・・・」
―血の匂いが・・・離れない。
「その―」
―殺人の空気がまとわりつく、虚言と狂気と殺意
―殺人者(あいつ)の臭いが忘れられない。
「その喰った奴って、どんな奴だった?」
ああ、俺って絶対マゾだ。馬鹿だよ、本当に。
もれなく、時間外労働コースだ。