午前は、ソウル市高齢者ケアワーカー(介護労働者)総合支援センターを訪問です。
資料とお茶とお菓子と。
どこの施設に行っても、ウォーターサーバーとクッキーなどが用意されていて、スペースを利用する人が自由に利用できるようになっていました。
なるほど、だからマイマグを持ち歩いて、「一回用品」=使い捨てコップなどを使わなくても、マグに水やお茶やらを自由に入れれるんですね。
資料がとても豊富。
しかも、日本語の物も用意されていました。
大変嬉しいですね。
センターの方から、お話を聞きます。
介護労働者は、家政婦と同じように扱われ、労働者性がはく奪されている問題点。
よいケアを目指すことと合わせて、介護労働者の保護をおこなっていく視点がありました。
日本はケアの質については取り上げられますが、介護労働者の権利保護については、取り組みが弱い点かもしれません。
実態から浮かんだ問題点について、事業がとりくまれていました。
介護労働者を尊重して支援します
介護労働者のお休み処。
ヨガとか体操などの教室も開催され、市内こういった「お休み処」がいくつかあるのだそうです。
カフェスペース、どこの施設にもありましたが、便利♪
相談スペース
会報・情報誌
みんなでパシャリ
午後からは、ソウル市感情労働者権利保護センターを訪れ、市の感情労働保護事業について、説明を受けました。
こちらも日本語!スゴイ
最近、ソウル市の条例によりできたばかりです。
非正規労働センターが市から委託運営をうけ、実態調査や感情労働者の保護制度の策定、キャンペーン等を行っていくそうです。
感情労働とは、お客さんを直接相手にする職種で、自分よりもお客さんの感情や気持ちを優先して、自分の気持ちをコントロールしながら働くことを求められる職種のことです。
例えば、コールセンターや百貨店の店員、看護師などで、たとえどんなにひどい暴言をはかれたり、横柄な態度を客から受けても笑顔でいなければならないような、職種だそうです。
ソウル市では、そういった弱い立場におかれた労働者を保護するために「ソウル特別市感情労働従事者の権利保護などに関する条例」を2016年に制定、施行しました。
例えば、不当な要求をする顧客の要求に応じない権利の保証、不当な対応を受けた労働者の業務の中断、個別対応が難しい場合の組織的対応、など、定められています。
どういった実態があり、現場での事業へ改善を求めたり、相談にのったりといった活動内容をお話しいただきました。
啓発のためのキャンペーンの様子
みんな真剣に聞いています
そして、どこへ行っても当たり前にあるのが、これ。
フリーwifiです。
ルーターはレンタルしていっていましたが、訪問先に必ずあって超便利でした。
続いては、ソウル市労働権益センターの教育チームのチーム長さんより、どういった労働者教育をおこなっているのか、具体的な事例についてお話いただきました。
労働アカデミーでは、青少年への教育や、成人に対して、労働組合などのリーダーへの教育、またこれから起業しようとする事業主に対しても、労働者を雇用するにあたっての労働者の権利について、教育プログラムをおこなっているとのことでした。
例えば、実際に作った雇用契約書や就業規則を持ち寄り、どの部分がよくないか議論し、みんなで修正案をつくっていったのだそうです。
「労働人権感覚を磨く」ことが大切と。
ホントにそう!
日本でも、必要だし意識の向上が必要な分野ですね。
そしてこれは―「あなたの労働に感謝します」キャンペーン
教育事業と相まって取りくんだキャンペーンだそうで、アパートの警備をしている労働者のかたへあてたメッセージカードです。
韓国では最賃が16%アップしましたが、そうなると人件費の高騰を恐れた事業者が、労働者を解雇する恐れがありました。
そこで、アパート警備労働者―住人から暴言をはかれるなどひどい対応されることが多く、高齢の労働者が多い分野―の人たちに「あなたの労働に感謝します」メッセージカードを書き、キャンペーンとして社会的に発信して、雇い止めにならないよう、アピールをしているそうです。
尊重されるべき労働をしている職種にターゲットをおいて、焦点をあてる取り組みです。
他にも、若者や移民労働者の子どもが、いい仕事か悪い仕事か見極める目を持つためのワークショップだったり、自尊心を傷つけられてきた経験からの回復だったり、色んなオーダーメイド型プログラムがあり、興味深かったです。
すごーい!!!
の、一言につきます。
多くの現場の取り組みに、刺激をもらった一日でした。
そして一日の最後はやはり、今日のいっぱい♪