「子どもの貧困って?
すべての子どもが豊かに育つために、いま」
と題し、つどいをおこないました。
ご参加、ご協力くださったみなさまありがとうございました。
最初に「見えない貧困」のドキュメントを抜粋上映し、私から「子どもの貧困対策のウソと自治体の役割」として話をさせていただき、続いて首都圏なかまユニオンの伴さんより、奨学金問題をとりまく状況についてお話いただきました。
私の話は、各自治体で進みだしている子どもの実態調査の比較について。
大阪府、東京都のおこなった調査と比べて足立区の調査は、明らかに政策誘導的であること、調査項目の内容も紹介しながら、数値からみてとれる相対的貧困=みえない貧困の実態を報告しました。
調査から浮かび上がったのは、見た目にはかわらなくても、同じ子どもたちが経験できていること―例えば、家族旅行に行く、テーマパークに遊びに行く、自分だけのおもちゃを持っている、誕生日を祝ってもらえる、習い事に通うというような経験を、経済的理由で経験したことがない・できない家庭が増えている実態です。
そして、次のような問いかけをさせていただきました。
足立区は、良い生活習慣を身につけよう・野菜から食べよう・朝ごはんを食べよう・歯をみがこう・子どもに声をかけてあげてください・褒めてあげてください・皆さんが健康でいてください、等といっていますが、つどい冒頭で上映した「見えない貧困」に登場する子どもたちにこのような言葉をかけれますか?
政府のつくった子どもの貧困に関する大綱は、貧困率を何%改善しようなどという数値目標を設定せず、努力目標をかかげたにすぎません。
お金をかけずに貧困をなくせたかのようにふるまおうという、根本的な方針を欠いている大きな欠陥があります。
足立区の子どもの貧困対策も、総務省のそういった姿勢を踏襲するものです。
政府においては雇用の安定を図る法整備、税制改革、社会保険制度の拡充などをすべきです。
地方自治体においては、義務教育の無償化の範囲を広げること、子どもに係る経済的負担の軽減策、また貧困状態を表に出さなくても受けられる支援策を充実させることが大切です。