6月30日に、自衛隊が主催する(!)初の「防災訓練」がおこなわれました。

近隣の区民の方から「どうして近隣の住民は参加できないの?」

「立ち入りできませんって言われてるけど、住民のための災害訓練じゃないの?」

と、多くの不安の声が寄せられていました。


そこで、都や自衛隊に問い合わせをおこない、当日の研修というかたちでの見学が実現し、見てきた様子を紹介します。


足立区の車!区の職員さんたちもこられていました


簡単な流れを紹介うけます

首都直下地震がおこって、32時間ほどがたったという想定です


けが人役の方がタンカで運ばれていきます

これが目玉(?)の野外手術システム

1日に10人~15人を手術できるそうです

運び込まれ、トリアージが赤(重症患者)の方を手術するとのことです。

レントゲンや、開胸、開頭、開腹手術や爆発物による熱傷など高度な手術への対応が可能な設備だそうです。


しかし、国内においてこのシステムが活用されたことは一度もありません。

なぜか。

もともとこれは「戦闘で負傷した兵士の救護活動のため」に陸自が装備しているシステムです。

そして、医療法の規定で診療所設置にあたっては許可が必要なため、このシステムは災害対策の場で医療行為をおこなうことはできませんでした。

それが、2003年の有事法制の「改正」で野外治療施設の開設・運営が認められることとなり、イラク派兵やPKOにも活用されてきたのだそうです。


このシステムは、東北大震災の時に展開はしたそうですが、実際には使用されませんでした。

これまでの実績は、イラク派兵、PKOという、海外での活用に限られています。

なんにために、この時期にこういった訓練をおこなうのか。

これまでの事情を知ってくると、その目的や理由が見えてきますね。



車両を数台つなげて、オペ室をつくっています。

手術システムの外側はこんな感じです。



赤十字のかたのテントです。軽傷の方がこちらで処置をうける想定です

そして最後に、患者をヘリに載せて病院へ運ぶところまでの訓練でした


どうも、災害対策のため、災害で負傷した足立区民はじめ近隣の市民のための活用を考えているとは感じられません。

現在10個の装備が陸自にあるそうです。

それで足りるのか?

数十万人の犠牲者がでる首都直下型地震で、この大きな車の野外治療トラックが、はたしてちゃんと出動できて、被災者の命を救助できるのでしょうか???