えぇ、思い出しましたよ。
いい加減な性格の私に「高田純次」に似ていると言ったお嬢さんを。

そんだけ。
娘や息子が誘拐されてから十数年経つ親御さんはどれだけいるのだろうか。
心配でたまらないだろう。
十数年も経ってると最悪のケースを想像するだろうし、私も大半はそうなっているものだろうと思う。

しかし、一部は生きている可能性がある。

いずれも犯人は異常者達なのだが、異常な犯人と共に生活をしてると考えてだ。
助けを求めれない状況下で、唯一の接点が犯人である。
生かされていると考えれば、言うほど悪い待遇では無い。
被害者から見れば犯人は「危険人物」にして「今一番信頼出来る味方」なのだ。
頼れるのはその人ただ一人。
しかも十数年経っていると考えれば、異常な愛情が芽生えている可能性もある。
ストックホルム症候群とか言うヤツか。

さて、もし犯人が逮捕されたとしよう。
身体検査やら聴取を終え、家族との対面を果たした被害者。
十数年ものブランクを乗り越え、上手く親御さんと触れ合う事は出来るのだろうか?
親御さんもそうだ。
十数年も経てば、子供には変わらないが、別人のように変わっているだろう。
それに沢山の傷や異常な状況下で芽生えた感情と、実生活で本来備えているであろう教養と情報の欠如。
精一杯子の為に尽くすだろうが、幸せとは程遠い生活になるだろう。
さて、そんな毎日に耐えれる人間は居るだろうか?
そうは居ないと私は考える。

誘拐された子と親の幸せは、誘拐された時点で終わっているのだ。

辛い話ではあるがだ。

誘拐犯一人の所為で、沢山の人間の幸せを一気に壊し、失わせているんだ。
一生分をね。

たかだか一人の欲望を満たすために。

許せない話だ。
昨日、友達のアフロから聴いた話なんだが。
最近、ストーカーに付け回されてるらしいんだ。
元々そのストーカー、アフロの知り合いの竹城君って子に付きまとってたらしいんだ。
何ヶ月か前になるんだけど、竹城君はストーカーの話をアフロに相談したんだ。
その次の日、竹城君はバイク事故で亡くなったんだってさ。
アフロ君はまあかなり悲しんでいたんだが。
通夜やらお葬式、そんで四十九日も終えて、落ついてきた。
まあ、私が必死に支えたからな。
四十九日が終わって間もないある日の事。
アフロ君が学校にレポートの提出に行ったんだ。

そしたら何やら校門に背が高く、髪のながーい女が立っていたらしいの。
綺麗な髪なんだけど、顔が隠れてしまうくらいの不気味な伸ばし方をしてるらしい。
そんでもって、真っ黒なスーツを着てるってんだからまた不気味さを増すわけ。
実はそいつ、竹城君が亡くなる前にアフロに話したストーカーの特徴と一致する。
竹城君が亡くなった事に気づいて無いのか?と思いつつ、不気味さ満点な女を無視してレポートを提出しにいったらしい。
それからの事なんだが、学校へ行くたびに場所は変われどずっとストーカーはいたらしい。
変な事に気付いた。
不特定の日にしか登校しないから気づくのが遅れたが、ストーカーがいつも定置に居なかった理由が分かった。
学校から、最寄りの駅の方に近づくように立ち位置が変わっていたのだ。
それに気付いたのはもう既に駅構内で不気味に立つストーカーを目撃してからだ。
そこからは早かった。
ある日は通学途中の電車の中、ある日は地元最寄りの駅、ある日は近所の交差点。
そして昨日、俺はアフロ君にその話を聴いた。
もう家の前にいるんだと。
いつの間にか、アフロ君がストーカーされていたんだよ。

さて、今日の10時頃にアフロ君に連絡を入れたが電話に出なかった。
自宅に電話すると、お母様が出られ「まだ帰って来ない」と言うでは無いか。

そして先程、アフロ君のお母様から連絡があった。
事故に遭って病院に搬送されたと。

はてさて、アフロ君が心配ではあるが…
もし、アフロ君の容態がかんばしくない状態になれば、ストーカーはどうなるんだろうか。

そして、私はどうなるんだろうか。

あと、この話を読んだアナタはどうなるんだろうか。

ウツな気分にさせたかな?
ソンナ感じのクールダウンはお嫌い?