娘や息子が誘拐されてから十数年経つ親御さんはどれだけいるのだろうか。
心配でたまらないだろう。
十数年も経ってると最悪のケースを想像するだろうし、私も大半はそうなっているものだろうと思う。

しかし、一部は生きている可能性がある。

いずれも犯人は異常者達なのだが、異常な犯人と共に生活をしてると考えてだ。
助けを求めれない状況下で、唯一の接点が犯人である。
生かされていると考えれば、言うほど悪い待遇では無い。
被害者から見れば犯人は「危険人物」にして「今一番信頼出来る味方」なのだ。
頼れるのはその人ただ一人。
しかも十数年経っていると考えれば、異常な愛情が芽生えている可能性もある。
ストックホルム症候群とか言うヤツか。

さて、もし犯人が逮捕されたとしよう。
身体検査やら聴取を終え、家族との対面を果たした被害者。
十数年ものブランクを乗り越え、上手く親御さんと触れ合う事は出来るのだろうか?
親御さんもそうだ。
十数年も経てば、子供には変わらないが、別人のように変わっているだろう。
それに沢山の傷や異常な状況下で芽生えた感情と、実生活で本来備えているであろう教養と情報の欠如。
精一杯子の為に尽くすだろうが、幸せとは程遠い生活になるだろう。
さて、そんな毎日に耐えれる人間は居るだろうか?
そうは居ないと私は考える。

誘拐された子と親の幸せは、誘拐された時点で終わっているのだ。

辛い話ではあるがだ。

誘拐犯一人の所為で、沢山の人間の幸せを一気に壊し、失わせているんだ。
一生分をね。

たかだか一人の欲望を満たすために。

許せない話だ。