2018-3-7追記・修正

身長が伸びる仕組み

身長はどのようにして伸びるのでしょうか。

 

人は生まれてから大人になるまで、身長が伸び体重が増え体がどんどん大きくなります。

 

ここでは身長が伸びる仕組みを解説します。

仕組みを知ることで身長を伸ばすためのヒントが浮かんできます。

お子さんの成長を促進させるためにも知識を広げておきましょう。

 

 

子どもの成長過程

 

乳幼児期

新生児の身長は平均47cm前後で生まれて1歳になると75cm前後まで成長します。

なんと1年間で約30cmも伸びていき、体重は約3倍!にまで大きく育ちます。

その後、成長スピードは落ち着いて6歳頃には身長が110cmを越えるようになります。

 

乳幼児期は体も大きくなりますが神経系統も発達してきて、5歳くらいになると大人の約8割程まで成長します。このころは好奇心旺盛で言葉や社会性も覚えていき個性が少しずつ出来てきます。

 

運動能力も発達が進みゴールデンエイジ(3歳から14歳くらいまで)と呼ばれ運動神経を成長させる初期段階です。体を動かす遊びをしっかりとして色んな事を経験させてあげてください。

 

 

小学生

小学校入学時の平均身長は115cm前後で、その後1年間に約5~7cmずつ成長していきます。

 

小学生になると自己判断が出来るようになり、集団行動を覚えていきます。

精神面も発達し、他人への思いやりや感動を覚えたりするなど情操教育に適した時期でもあります。

 

神経系統も12歳頃に大人と変わらない程に成長します。運動神経においてはゴールデンエイジ真っ只中!自分の体が思ったように動かせるようになってきます。センスも磨かれ大きく成長が望める時期です。

 

 

中学生~高校生

この時期は男女で成長の度合いが違ってきます。

男子12歳から16歳くらいにかけて一気に伸びが加速することが多いです。

そこから伸びはゆるやかになり18歳頃にはストップします。

 

女子思春期を迎えるのが早く、10歳くらいをピークにして中学生では伸びがだんだん少なくなり、高校生になるとほとんど止まってしまいます。

 

小学校高学年から中学生になると思春期を迎えます。

思春期になると身長が伸びなくなると言われるのはホルモンが関係しています。

それまで活発に分泌されていた成長ホルモンに代わり性ホルモンが多く分泌されるようになるためです。

 

 

身長と遺伝の関係

 

「身長は遺伝によって決まる」と思っている保護者の方も多いと思いますが、それに当てはまらないお子さんも周りにたくさん居ませんか?

 

日本人の平均身長は昭和の時代よりも伸びています。40年前と比べると約10cmも伸びているんです。遺伝で身長が決まるのであれば40年前と変わらないはずですよね。

 

これは昔に比べて食べ物が豊富にあり栄養が十分摂れているからなんです。

 

実は身長の伸びに対する遺伝の影響は20%~30%という研究結果が出ています。

残りの70%~80%は後天的なもの(生活習慣)で決まります。

 

この生活習慣を良くすることで身長の伸びにプラスαの伸びが期待できます。

 

 

身長が伸びる=骨が伸びる

 

身長が伸びるためには骨が伸びる必要があります。骨が伸びると言っても骨が中央から伸びているわけではなく両端付近が伸びています。

 

成長期の骨には骨端線(成長線とも呼ぶ)があり、破壊と再生を繰り返して骨が成長していきます。

 

骨端線

・・・骨の両端部(関節部)に成長期にできる柔らかい骨(軟骨)。成長期はこの部分が成長して身長が伸びる。成長期を過ぎるとこの軟骨が硬い骨となり骨端線は消えて(閉じて)身長は伸びなくなります。

 

 

この破壊と再生のバランスが成長期は再生の力が上回っているために骨がどんどん作られて身長が伸びていきます。

 

骨トリビア

人間の骨は成長期だけでなく大人になっても約3年で生まれ変わっています。これには2つの役目があります。

①体内のカルシウムが不足すると骨を溶かして補充する。

②古くなった骨を新しく作り変えてしなやかで丈夫な骨にすることです。

 

骨端線の働きは成長ホルモンの分泌量に左右されます。

骨をどんどん伸ばすには成長ホルモンがより多く分泌されることがカギとなります。

 

 

 

成長ホルモンとは

 

名前の通り成長ホルモンは骨や筋肉、女性であれば胸が大きくなったりとさまざまな部位に成長を働きかける物質です。

 

子どもだけでなく大人になっても分泌されています。ただその量は加齢とともに減少していきます。大人になると身長は伸びませんが肌のキメを整えたり、筋肉をつけたりと細胞の修復、再生に働きかけるので人間にとって大切な物質です。

 

成長ホルモンの主な役割

  • 骨の骨端軟骨に働きかけ骨の成長を促す
  • 筋肉の修復や再生を促す
  • 各器官の発達を促す
  • 血糖値やカルシウム濃度を一定に保つ
  • 体内に蓄えた脂肪を利用してエネルギー不足を補う

成長ホルモンが分泌される条件

  • 睡眠中、特に入眠の2、3時間後
  • 運動中と運動後30分以内
  • 空腹時
  • 血糖値が下がったとき

 

この成長ホルモンの分泌に重要なのが「身長と遺伝の関係」でも触れた「生活習慣」です。

 

重要な生活習慣=「睡眠」、「運動」、「栄養」

 

この3大習慣を見直すことで身長の伸びにプラスαが期待できます。

 

まとめ

身長が伸びる時期は男女によって違いがあり、男子は12歳から16歳頃にかけて成長が加速し18歳頃には伸びが止まる。女子は10歳をピークにだんだんと伸びが緩やかになり高校生ではほぼ伸びなくなります。

 

身長の伸びに遺伝の影響は20%前後、残りの80%は生活習慣によって左右される。

 

生活習慣において大切なものは「睡眠」「運動」「栄養」

この3大習慣を改善していくことで成長ホルモンの分泌を促進することに繋がります。

 

成長ホルモンが活発に分泌されると骨端線の破壊、再生が促進され骨が伸びる=身長が伸びていくというサイクルが多くなります。

 

身長が伸びる仕組みを理解すると良い環境が整い、成長のマイナスになるものを避ける事が出来るようになります。

 

お子さんの健やかな成長のためにぜひ活用していただきたいと思います。

 

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