平庵の医学プチ・レポート①コロナ時代の咽頭所見(のどについて) | 平庵 の ひとふたみ

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平庵の医学プチ・レポート①コロナ時代の咽頭所見(のどについて)

 

2017年に収集した風邪ウイルスの一覧表です。

 

 

この表は頻度順ですので、従来のコロナウイルスは風邪ウイルスの中で二番目に多いものでした。

風邪でしたら、診察では咽頭所見(のどを見る)を行います。しかし、実際には注意深く見ていなかったことに気がつきました。

細菌性扁桃炎があるかどうか(口蓋扁桃が化膿しているか)、EVウイルス

(伝染性単核細胞症)が疑われるか、アフタ性病変があるかについては気にしていましたが、その他の所見に対しては、ほとんど見ていませんでした。

 

五年位前に「インフルエンザでは喉にイクラが出る」ということを知りました。インフルエンザ濾胞というのですが、インフルエンザに特徴的な所見です。

 

インフルエンザ濾胞について

 

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は間質性肺炎が有名でした。しかし、PCR陽性者では「無症状」が最も多いらしいと聞いています(伝聞ですので引用はありません)。また、軽症の新型コロナウイルス感染症について、症状や所見について、積極的に提示されることもありません。

 

そこで、風邪ウイルスなのですから、喉にヒントがあるのではないかと一年間、注意して喉の診察を行ってきました。

ただし、僕の喉の診察は舌圧子で強く舌を押さえつけることはしません。舌根部を下げることができず、口蓋扁桃もよく見えない人もいます。どうしても舌を下げて欲しい場合には、舌圧子で舌の中央を「ちょん」と叩いて、「この辺を下げることができますか?」と聞くようにしています。それで見えなければ諦めます。

無理矢理、舌を押しても「ゲェー」って、トラウマになるだけですから・・・。

 

ということで、僕の喉の診察は口を開けた状態で、ランプで喉を照らすだけです。これだったら、しぶきも飛んできませんので安心(笑)

ランプは良いものを使っています! LEDライトではなく、ハロゲンランプがついているWelchAllynのペンライトに、電圧の安定のためにエネループを使用しています。

 

さて、喉の「前口蓋弓」と「後口蓋弓」を中心に診察をすると、コロナ時代の風邪の患者さんと、コロナ時代の胃腸炎の患者さん(新型コロナの10%は胃腸炎症状のようです)の喉の所見では、二種類の所見が見られました。

仮に(A)(B)として分類します。

 

 

 

 

(A)前口蓋弓の舌根部近くの粘膜が発赤している

(B)前口蓋弓の縁に沿って、軽度の発赤が続いている

 

当院ではPCRは実施しておりませんので、新型コロナウイルス感染症と関連するかどうかは不明です。

また、これまで、WelchAllynの高級ペンライトを使用しているのにもかかわらず、咽頭所見を重視していなかったことは反省します。

その上で、心を入れ替えて、コロナ時代の風邪と胃腸炎の咽頭所見(それも舌圧子を使わない状態での観察)では、(A)(B)の所見が多いように思います。

 

その他に、

(C)無所見(成人では血管透見可能な完全に正常粘膜)

もあると思います。

 

採血をした患者さんには、危険な異常値があれば結果が出次第に電話連絡。そうでない場合には、一週間後に再診してもらっています。その時にもできるだけ咽頭所見を見るようにしています。僕の経験では、風邪症状(咽頭痛など)が収まっても、一週間後にも(A)(B)の所見は継続しています。

 

これ以降は、専門家の見解を待ちます。

 

このブログを読んで自分のノドを鏡で見た方で、もしも、(A)(B)があったとしても、あまり深く心配しないでください。

僕が一年間に診てきた患者さんで、(A)または(B)だけの方で入院した方はいません。

 

新型コロナウイルス感染症×咽頭所見で検索しても、特徴的な所見は出てきませんでした。

本来なら、医学論文への道もありますが、論文は随分書きました(論文にするのは労力が必要です)ので、プチ・レポートとして気軽にブログにするのが良いと判断しました。

 

インフルエンザ濾胞のように知識が広まることを期待します。

 

 

 

ご来訪ありがとうございます。