感染症では抗体一辺倒ではなく、生体では様々な防御機構が動的に働いています! | 平庵のひとふたみ 其の参

平庵のひとふたみ 其の参

神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることがなく、永遠のいのちを持つためである。ヨハネの福音書3章16節
万葉集を読んでいると旧約聖書を思い出す。『万葉集の詩性』中西進氏

FBFからの情報です。感謝します。

 

論文の要旨

「SARS-CoV-2ヒトチャレンジ研究において、鼻咽頭ぬぐい液と血液のシングルセル・マルチオミクスプロファイリングを用いて、アルファ変異体以前のSARS-CoV-2にチャレンジした血清陰性者の不顕性感染、一過性感染、持続感染を時間的に解析したところ、特定の時点と感染状態に関連した上皮細胞と免疫細胞における細胞型の割合の急速な変化と、非常に動的な数十種類の細胞応答状態が明らかになった。血液中のインターフェロン反応は鼻咽頭反応に先行し、さらに、上咽頭への免疫浸潤は、一過性感染者のサンプルでは早期に、持続感染者のサンプルでは後期に起こっていることが観察された。ウイルス接種前のHLA-DQA2の高発現は、持続感染の防止と関連していた。繊毛細胞は複数の免疫応答を示し、ウイルス複製に最も寛容であったが、鼻咽頭T細胞とマクロファージは非生産的に感染した。SARS-CoV-2モチーフを収束させながらクローン増殖した急性活性化T細胞を含む54のT細胞状態を解析した(新しい計算パイプラインCell2TCRを使用)」

やはり、このチャレンジ研究でも、T細胞とマクロファージの感染が検出されています。また、ごく初期の感染や不顕性感染では、MAIT細胞

(MAIT細胞は自然免疫型T細胞のひとつで、自然免疫と獲得免疫の中間的な役割を果たし、両者の橋渡しを担う細胞集団

)の活性化や炎症性単球の減少などがみられ、ウイルス暴露直後の免疫反応のバイオマーカーとして注目されています。ちなみに、ウイルス接種部位における活性化制御性T細胞の量は、接種から2週間後にピークに達するようです。

 

 

 

ご来訪ありがとうございます。