麻疹ワクチン接種プログラムによって、「2度なし病」だった麻疹に成人が感染する可能性が出ている | 平庵のひとふたみ 其の参

平庵のひとふたみ 其の参

歓喜と感謝で暮らしています。混沌の中から今日の成長を発見したい。
日本青伸会会員 
HEAVENESE後援会

FBFからの情報です。感謝します。

 

論文の要約

「2014/15年にベルリンで発生した大規模な麻疹アウトブレイクからの届出データを用い、ワクチン接種状況が判明しているベルリンの住民のうち確定したすべての麻疹症例を対象とした研究結果は、麻疹ワクチンによる免疫の衰退の存在を示唆している。麻疹の症例は1980年代以降、ワクチン接種率の向上とともに世界的に徐々に減少してきたが、2017年から欧州連合(EU)および欧州経済領域(EEA)で麻疹が再燃しており、20歳以上の成人が全症例の3分の1以上を占めている。麻疹に対する免疫の減退の影響は、ワクチン接種を受けた人口(麻疹への曝露がほとんどない)が高齢化し、ワクチン接種からの期間が長くなるにつれて、今後数年で顕在化し、将来的には増加する可能性がある。」

要するに、ワクチン接種プログラムによって、「2度なし病」だった麻疹に成人が感染する可能性が出ているということです。まずは麻疹ワクチン接種プログラムの限界をきちんと説明し、麻疹ウイルスへの体液性かつ細胞性免疫応答が低下している方への生ワクチン追加接種をお願いするのが筋だと思います。

 

 

元論文の機械翻訳(抜粋)

2014/15年にドイツ・ベルリンで発生した大規模な麻疹アウトブレイクのデータを用いた年齢別ワクチン効果の推定:免疫力低下の証拠

要旨

背景 麻疹の撲滅は、麻疹含有ワクチン(MCV2)の2回接種による95%のカバー率、高いワクチン効果(VE)、生涯にわたるワクチン誘発免疫に基づいている。抗体価の経時的解析は免疫の減弱の存在を示唆しているが、集団レベルでの関連性は不明である。

目的 ベルリンの異なる年齢層(2~5歳、6~15歳、16~23歳、24~30歳、31~42歳)におけるMCV2のVEを推定することにより、免疫の減退の有無を評価しようとした。

方法 ワクチン接種率に関する体系的な文献レビューを実施し、ベルリンで大規模に発生した麻疹アウトブレイク(2014/15)のデータを用いてスクリーニング法を適用した。入力変数の不確実性はモンテカルロシミュレーションにより組み込んだ。シナリオ分析では、自然免疫が無視できると考えられる最年少年齢層のVEを用いて、31~42歳のMCV2接種率を推定した。

結果 773人の麻疹患者(年齢中央値:20歳)のうち、40人がMCV2を接種していた。年齢群ごとの平均接種率にはばらつきがあった(32%~88%)。推定VE中央値は、最も若い3つの年齢群では99%以上(95%信頼区間(CrI):98.6-100)であったが、最も高齢の年齢群では低かった(90.9%、95%CrI:74.1-97.6)。シナリオ分析では、推定接種割合は98.8%(95%CrI:96.5-99.8)であった。

結論 MCV2のVEは概して高かったが、31~42歳では低かった。MCV2の推定接種率は、31~42歳では十分な集団免疫をもたらしたはずである。したがって、VEの低下は自然免疫では完全に説明できず、免疫の衰退が示唆された。

 

 

ご来訪ありがとうございます。