「ガニメデの優しい巨人」 ジェイムズ・P・ホーガン著/池 央耿訳 | 50代からの読書

50代からの読書

子どもの頃から本が好き。若い頃はおもしろいと思えなかった本も今なら感動することもあり、読書を通して自分の変化を感じます。読書の記録を通して、50代の心の一端を残してみます。

 

争いを嫌う宇宙人

 

 

「星を継ぐもの」の続編。

太陽系の歴史の中には、地球の人類が想像もしていなかった進化の歴史がありました。

その進化の過程を読み解く説明はだいぶ難しいところもありましたが、人類が本当にこんなふうに生まれたのだとしたら…とあれこれ想いを巡らせてしまうくらい、魅力的なアイディアです。

 

闘争心を持つべく進化した生物はいずれは戦いによって滅びてしまうから、高度な文明を持ち得ない、と考えられているのですが、地球人はそれを克服して急激な発展を遂げた特異な生物と捉えられています。

この作品が書かれたのは1970年代くらい、そして物語の舞台は21世紀。

現実には闘争心は全く克服されてはいないばかりか緊張は増すばかり。思うところの多い作品です。

 

 

 

 

ジェイムズ・P・ホーガン

1941〜2010年、イギリス