久しぶりに取り出してきたのが


ライトナー&N響によるベートーヴェンの交響曲第5~7番のライブ。

録音年代は:

第5…1983年
第6…1986年
第7…1981年

解説によると、ライトナーのN響への初登場は1976年、以後1990年まで客演していたとのこと。

確かに、子供の頃にN響アワーではよく見かけた指揮者のひとりです。


今風のベートーヴェンではないし、逆に今ではあまり聴く機会の少ないタイプの、私なんかの世代以上のクラシックファンにとってはとてもオーソドックスな解釈です。


ライトナーはご存知の通り、オペラ畑の長い指揮者です。

1950年代から1960年代にかけて、シュトゥットガルト国立歌劇場の音楽総監督を務め、名声を博してました。

殊に、テノールのヴィントガッセン、ソプラノのメードル、バス・バリトンのナイトリンガー、バスのフォン・ローアという傑出したワーグナー歌手を抱えていた時代の音楽総監督で、バイロイトとの比較の意味でこの歌劇場は「冬のバイロイト」と呼ばれるほどの充実ぶりだったとか。
(「パルジファル」のパリでの引越公演のライブが発掘されました)

ただ残念ながら、この時期のライトナー&シュトゥットガルト国立歌劇場管の録音はDGに相当残されているにもかかわらず、ほとんどまともにCD化されていません。

一番目にする(耳にする)機会が多いのは、ベルリン・フィルを振ってケンプの伴奏を務めたベートーヴェンのピアノ協奏曲全集ではないでしょうか?


シュトゥットガルトを離れたあとは、チューリヒ歌劇場の音楽総監督、続いてハーグ・レジデンティ管の音楽監督というポストで、まぁお世辞にも録音に恵まれる団体ではなかったので、ますます去るもの日々に疎しという感じです。


しかし、この時期のN響の響きは好きだなぁ。

細かい融通は効かないけど、やはり低音部が充実していて、どっしりとした土台が必須のドイツ音楽には、打ってつけでした。

ていうか、そういう音作りをする指揮者がズラリと当時のN響には並んでいたから、当然と言えば当然ですが…

もちろん技術的には今日のN響のほうが上なのでしょうが、重厚というカラーがあったあの頃のN響と、果たしてどういうカラーがあるのか私には分からない今日のN響。

個人的には、デュトワとアシュケナージの2代の指揮者のせいで、この響きは失われてしまったと思うので、余計にこのライトナーのベートーヴェンには郷愁に似たものを感じます。
(お二人のファンのかた、ゴメンナサイ)。

さらに言えば、ライトナーの第7番を聴いた後で、もしパーヴォの同じ曲を聴いたなら、絶対に同じオケだとは思えないと思います(^^)