独墺系の音楽・音楽家を聴く機会の多い私ですが、フランス系のピアニストだと、古くはコルトー、ナット、フランソワなんかが好きです。
そして、カサドシュの弾くモーツァルトも。
フランス人ピアニストで、彼ほどモーツァルトに通じた人も珍しいのではないでしょうか?
CBSへの商業録音以外にも、膨大な数のライブ録音が残されていますが、今日は母国のオケであるフランス国立管とのモーツァルトのピアノ協奏曲のライブ録音を

・第21番(指揮はマタチッチ、1960年9月23日)
・第23番(指揮はマルティノン、1969年6月18日)
・第24番(指揮はモントゥー、1958年9月24日)
・第26番(指揮はジンマン、1968年9月13日)
指揮者陣は多士済々で、特に今日なお現役のジンマンはモントゥーの下での修行を終えて間もない、まだキャリアのごく初期の録音ではないかと思います。
録音場所が書かれていないんですが、マルティノンの録音を除いては、同じような録られかたをしています。
マルティノンの録音は、このオケの他の指揮者とのさまざまな録音からして、恐らく本拠地のシャンゼリゼ劇場でのものだと思います。
その他はたぶんモントルー音楽祭での録音かと思われます(ピアノにマイクが非常に近接してるのと、9月というタイミング)。
第23番以外はモーツァルト自作のカデンツァが存在しませんので、第21番は自作の、第24番はサン=サーンスの、第26番は第16番の協奏曲のカデンツァを用いてます。
音質はモノラルとステレオのものが混在していますが、ステレオといっても分離がイマイチです。
第24番では、混線しているのか、ソプラノ歌手の歌声がわずかに聞こえてきますが、ヒストリカルの録音ではよくあることですよね(^^)
まぁ全体として、ヒストリカルの録音に慣れた方なら、問題なく聴けます。
カサドシュはセルの指揮による商業録音が有名ですが、こちらは悉く指揮者が異なるというのが魅了的です。
最も明確な刻印を残してるのは、マタチッチでした。
第21番はC-durという調性の特徴もありますが、マタチッチの伴奏は非常にゴツいドイツ風のもので、ベートーヴェンの協奏曲の伴奏をしてるんじゃないの?とツッコミたくなります(笑)。
もちろんライブ故の瑕疵もあり、例えば第23番の第2楽章では、カサドシュが思いっきり弾き間違えています。
この楽章はとりわけピアノ・パートの音符が少ないから、余計目立ってしまいますね。
指揮者との駆け引きという意味では、モントゥーとの第24番が面白いですね。
特に変奏曲の第3楽章では、モントゥーが変奏が変わると一気にギアチェンジし、カサドシュも負けじと応戦するなど、ライブ故のスリルを楽しめます。