久しぶりにハンス・クナッパーツブッシュの指揮で、ブルックナーの第3交響曲を

クナッパーツブッシュのブルックナーの第3交響曲の録音は、以下の通り
・ウィーン・フィル(1954年4月1-3日、デッカへの商業録音)
・バイエルン国立歌劇場管(1954年10月11日)
・ウィーン・フィル(1960年2月14日)
・北ドイツ放送響(1962年1月15日、詳細な日付には異説あり)
・ミュンヘン・フィル(1964年1月16日)
デッカへの商業録音以外は、全てライブ録音です。
言うまでもなく、いずれもシャルク改訂版を使用しています。
ただ、クナッパーツブッシュが使い続けた改訂版の中でも、第3番、第7、第8番に関しては、原典版と比べてカット等がほとんどないので、そこは助かります。
そこにいくと、第5番と第9番の改訂版は相当改編(改竄?)されてますね。
というわけで、第5番と第9番の場合は、指揮者自身のアクの強さもさることながら、使用譜のアクの強さが前面に出てきてしまいますが、ノヴァーク版とシャルク改訂版との差があまりない第3番の場合は、指揮者の、つまりはクナッパーツブッシュのアクの強さが前面に出てきます(^^)

今日は、何れにしようかと迷いましたが、5種類の中でも特にアクの強い北ドイツ放送響との録音をチョイスしました(個人的にはこの5種類の中でも、音質は良い方だと思います)

この日のコンサートの前半は、アンドール・フォルデスをソリストに迎えたベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番が組まれていて、その録音も残されています(フォルデスがこの日の巨匠クナッパーツブッシュとの共演に大いに喜んだ逸話も伝わってます)。
まずは、練習嫌いで知られたクナらしく、特に頻繁に客演したわけでもないこのオケが相手なので、あちこちでズレたりと、ライブならではのスリルを味わえます(笑)
とは言え、シュミット=イッセルシュテットに鍛えられただけあり、個々の楽器はさすがに巧いし、ゴツい音を出してくれます。
手元にシャルク改訂版のスコアは無いので、ほぼ同じであるノヴァークの原典版を見ながら聴きました。
確かに、細かな点では異同はありますし、恐らく改訂版の方が、他の曲の改訂版の傾向からしても、細かい表情に関する指示は多いのでしょう、クナもそれに従っていると思います。
スケルツォ楽章の荒々しいトランペットは、ブルックナーらしい武骨さを感じさせてくれて、個人的には好きです。
第4楽章は、アラ=ブレーヴェのアレグロの指示ですが、さすがクナ、思わずこけてしまうような遅めのテンポで開始。
そのあと、65小節からlangsamerの指示がついたFis-durの第2主題が登場する前のrit.の使いかたが、とっても巧い。
あとは、第1楽章の第1主題がD-durになって戻ってくるコーダの凱歌のどっしりとしたテンポも、まさに巨匠の格を感じさせてくれます。
特に最後のA→Dで解決する、音価の数倍もあろうかというネットリとしたフィニッシュは、第8交響曲の録音と同じような感じで、これもたまりません(^-^)
ヴァントが聴いたら、ブチキレそうですが(爆)
ついでに、1964年のミュンヘン・フィルとの録音も

これが生涯最後のミュンヘン・フィルとの共演で、翌年に巨匠は亡くなります。
同日のプログラムに組まれていたシュトラウスの「死と変容」も録音が残されており、絶品です☆