ここのところ、途切れ途切れで聴いてきたのが

シューベルト リート集
EMI及びその前身の会社による19世紀から21世紀までのシューベルトのリートの録音を集めたもの。
最も古いのは、イギリスのアルト、イーディス・クレッグによる「アヴェ・マリア」で、録音年は1898年!
また、伴奏も時代を感じさせる名称で、ベルリン「宮廷」歌劇場管弦楽団。
まだ1918年以前の帝政時代なので、「国立」ではなかったのですね。
同じ作品を古今東西の様々な歌手で聴けるのもポイント。
例えば「魔王」だと:
・リリー・レーマン(1908年)
・ジョルジュ・ティル(1930年、仏語、ベルリオーズ編曲の管弦楽版)
・シャルル・パンゼラ(1934年、仏語、ベルリオーズ編曲の管弦楽版)
・アレクサンダー・キプニス(1936年)
・マルタ・フックス(1937年)
・クリスタ・ルートヴィヒ(1961年)
・エリーザベト・シュヴァルツコップ(1966年)
・イアン・ボストリッジ(1996年)
ということで、ほぼ1世紀の「魔王」をカバーしていることになります。
しかも、その時代を代表する歌手たちです。
特に面白いのはティルが歌ったもの。
これは、他にバリトンのエチェベリー、ボーイ・ソプラノのパスカルが歌い、この3人で父親、息子、魔王、語りを歌い分けています。
また、時代を感じさせるのは、オペラが自国語で歌われていた20世紀前半まで、やはりシューベルトのリートも歌手がそれぞれのお国言葉で歌っていて、英語版、仏語版、露語版と入り乱れてます。
フランス語だと、作品によっては合うんですが、「魔王」のような荒々しく劇的な作品は元々のゴツゴツとしたドイツ語で表現しているだけに、フランスでは、なんか柔らか過ぎるというかフニャッとしてるというか(笑)
英語だと、一気に俗っぽくなるし(爆)
露語は……分かりません(^-^;)
それでも、例えばトスカニーニに招かれてスカラ座で歌い、後にマリインスキー劇場やボリショイ劇場の看板歌手となるウクライナ出身のシビリャコフの歌唱は、露語であっても貴重でありがたい(まだロマノフ王朝時代のサンクト・ペテルブルクでの1910年前後の録音)。
同じく露語歌唱だと、シャリャピンによる「冬の旅」の「影法師」や「死と乙女」も楽しめます。
またドイツの伝説的なメッツォ・ソプラノのエレナ・ゲルハルトの「楽に寄す」を、これまた伝説的な指揮者ニキシュのピアノ伴奏で聴けるのも嬉しい(^-^)
後半になると、シュヴァルツコップ、フィッシャー=ディースカウといった、現代のシューベルトのリートの解釈の祖型となった歌手や、クリスタ・ルートヴィヒ、ヘルマン・プライ、フリッツ・ヴンダーリヒ、エリー・アメリンク、ペーター・シュライアーとお馴染みの歌手たちがズラッと並びます。
最後の17枚目にはトーマス・ハンプソンの解説も入っていて、お腹一杯にシューベルトを楽しめます♪