いよいよ、ブルックナーを聴くには、暑苦しい時期になってきました。
ましてや、第5番ともなると(苦笑)
今日はヨッフムの指揮で

コンセルトヘボウ管(1964年)
もはや今さら言うまでもない、オットーボイレンのベネディクト修道会修道院での伝説的なライブ。
教会などでのライブでありがちな残響が過多になってないという音響面のメリットが、演奏内容も含めて長く評価が高い理由の一つかも知れないですね。
やはり、ヨッフムはヴァントなんかとは違って、テンポはそこそこ動かしますが、ブルックナー特有の謂わばドイツ語的な枠構造の各枠の中では動かさないので、その辺りがとても巧みだと感じさせます。
特に、第4楽章の再現部の各主題の再現なんかにはそのことが言え、シューリヒトほどではないにしても、巧くアゴーギクを用いてます。
もう一つは

コンセルトヘボウ管(1986年)
巨匠84歳の時の、死の3ヶ月前の、こちらは本拠地コンセルトヘボウでのライブ。
まさに、最晩年に「神がかった」名演を残したヨッフムによる素晴らしい名演の一つかと思います。
この年齢でも、弛緩するところはないし、またテンポが硬直化せず、柔軟に振り分けるところなど、ヴァントとは対照的です(ヴァント・ファンの方には申し訳ないですが…)。
私が持ってるのは、同じtahra盤でも上記の写真の再発盤ではなく、初出盤の方なんですが、そこには彼のこの交響曲に関するエッセイ(エッセイと言っても、かなり詳述している)が記載されていて、こちらもかなり読んでいて楽しいです。
但し、小節や練習番号が書かれているので、スコアを手元に置いてないと、あまり読んでも意味はないかも(^^)
彼は他にもこの交響曲を複数回録音しており:
1938年…ハンブルク国立歌劇場管(テレフンケンへの商業録音)
1958年…バイエルン放送響(DGへの商業録音)
1969年…フランス国立管(ライブ)
1980年…ドレスデン国立歌劇場管(EMIへの商業録音)
他にも年代の怪しい海賊盤で、ベルリン・フィルとのライブが出回ってるようです(小生は海賊盤には手を出さない主義なので、聴いてません)。
要は、その長い指揮者としてのキャリアの全ての段階で録音を残していることにななります。
この中では、SP録音であるハンブルク国立歌劇場管との録音は、音質的にはやや厳しく(何しろ、1937年のベーム&ドレスデン国立歌劇場管による世界初録音に次ぐ2番目の全曲録音でした)、またフランス国立管とのライブは、オケもブルックナーに慣れてないせいか、ポンコツですが(苦笑)、他は一聴の価値のあるものばかり。
何度聴いても、最終楽章のコーダのコラールを聴くと、「70分以上聴いてきて良かった」という達成感というか救済感を覚えます(^-^)
ヨッフムは、件のエッセイの中で、この箇所で4本のホルン、3本のトランペット、3本のトロンボーン、1本のチューバを補強する旨を書いてます。
ご本人が認めるように、これはシャルクの改訂版による初演以来の伝統的な補強で、言うまでもなく、このコラールに辿り着く頃には疲れ果ててしまってる金管セクションをフォローする為のものです。
まぁ、楽譜至上主義的な指揮者には受け入れがたいかも知れないですが、まだ原典版が登場する前からブルックナーを積極的に取り上げてきた現場実践派のヨッフムのような指揮者にとっては、ブルックナーをより理解してもらう為の方策だったのでしょうね。
今日でも、この金管セクションの補強は時おり目にしますね。
さて、夏本番なので、そろそろこの交響曲を聴く回数も減りそうです(笑)