ここのところ、ベートーヴェンの第4交響曲を続けて聴いてきたので、割りと最近の録音で、素晴らしいと思ったのが

トーマス・ファイ&ハイデルベルク響
このオケは、金管とティンパニがピリオド楽器という編成。
このコンビによるベートーヴェンは、このCDのカップリングの「田園」のほかに、第1番と第2番の録音があります。
ただ、彼らがハイドンの交響曲全曲録音に集中してる為か、ベートーヴェンの方は、この10年ほど録音は進行していません。
さてこの録音ですが、CDには使用した楽譜がクレジットされてませんが、録音のタイミング的にはベーレンライターのスコアを使っていてもおかしく無さそうです。
近年のベートーヴェンの録音では、ノリントンやパーヴォ・ヤルヴィの全集も素晴らしいですが、このファイの録音もなかなかのものです。
ことテンポに関しては、第1楽章などはヤルヴィよりも速いです。
序奏こそ割と普通のテンポですが、提示部に入った途端、恐ろしく速くなります。
ここでやっかいなのは、巨匠時代の演奏に慣れた耳にとってあまりに速すぎると感じるこのテンポが、ベートーヴェンのメトロノーム指示で言うと、あながち間違っていないということ。
そもそものスコアには、提示部にはアレグロ・ヴィヴァーチェとしかありませんでしたが、1817年にベートーヴェンが書き込んだメトロノーム指示は全音符=80となっています(提示部以降は2分の2拍子)。
してみると、こういうファイたちのテンポ設定は、決してムチャクチャでも誤りでもないということになってしまいますが、じゃあ「第九のメトロノーム指示もあれで正しいのか?」というツッコミも当然出てきますし、よく言われるようにこのベートーヴェンのメトロノーム指示をどこまで参考にするかは、意見が分かれるかとおもいます。
ただ、こういうテンポでやると、121小節からの弦楽器による2分音符の連続する箇所は、ほぼ4分音符か8分音符に聞こえてきます。
特にファイは、かなりスタッカート気味に弾かせてるので、なおさらです。
他では、この指揮者のリズムのセンスが素晴らしく、シンコペーションが実に見事に活かされています。
そしてやはり、このテンポで聴いてて面白いのは、第4楽章ですね。
なにしろ、無窮動で音楽が進んでいくから、スリリングなことこの上なし。
それとこの楽章に限った話ではないですが、こうした演奏を聴くと、やっぱりベートーヴェンは両翼配置の方が、スコアをより忠実に活かせるなぁと、素人ながらにスコアを見ながらそう思います。
あとは、毎回聴き所として挙げるこの楽章の再現部の第1主題のFgですが、見事に吹けてます。
コーダの345小節からは、スコアには指示はありませんが、やはりここはさすがに多くの指揮者と同様、少しテンポを落として、その後の3つのフェルマータも応分に活かしてます。
まだ販売されているようですし、こういうアプローチに抵抗のない方には、お勧めです♪
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